(2019/06/13)公共交通インフラの値上げというモビリティサービス劣化の悪手について述べます

おはようございます。

2019年(令和元年)6月の、暑い日中に営業先まわりをやって頑張っております筆者のブログ配信記事です。

営業している身としては移動にかかる経費や時間に関しては非常にセンシティブです。

今回、福岡市で運営している市営地下鉄について、主管する福岡市交通局は2020年10月の消費税率8%から10%の増税時に、市営地下鉄運賃への増税分の転嫁(要するに値上げ)を検討していることを明らかにしました。

大人260円の通常の初乗り区間で、10円の値上げを想定しているとのことです。

同じく市内公共交通を担う西日本鉄道も、今回の増税に伴う西鉄バスや西鉄電車で運賃を値上げするという方針とのことです。

しかし、世の中これだけ、自家用車における運転リスクが叫ばれ、高齢者の自家用車運転によるリスクや危険が認知されている中、代替交通手段としての公共交通機関が経済原理だけによって値上げしていくというのは都市計画上非常に残念な、言ってみれば「悪手」であると考えています。

目に見えないけれども確実に存在する「事故」のリスクを極小化し、モビリティ(移動手段)のプロに任せるという方法は、非常に合理的であり、先進的な都市機能を持つ世界都市は、シンガポールにせよ東京にせよ、地下鉄や公共バスの料金が非常に安く抑えられ、市民都民国民の足として活躍しています。

もちろん、時間を優先したい顧客にしてみれば、トールゲートをくぐるたびに課金されていく、シンガポールの例を見てもそうですが、それでも、割高のタクシー料金を支払っても、急ぐ客は急ぐわけで、その辺住み分けがきっちりできているのは素晴らしいと思います。

しかるに、初乗りで260円といった「地下鉄」や北九州市の「モノレール」といったほぼ単線、乗り継ぎのできない交通網では、どうしても利用者増加は見込めません。

結果、市民に今ひとつ愛されず、利用も減ってしまうのではないかと危惧しています。

ここは一つ、免許返納を行なった高齢者等(高齢者に限らず運転に自信がなくて関係ない人を巻き込むことを恐れる「まっとうな」感覚を持っている市民ドライバー含む)の方々には、思い切って100円で地下鉄・バス全線乗り放題の権利を与えても良いと考えています。

100円を超える運送業者の「実費」については補助金対応となりますが、それでも、自家用車を転がして発生するCO2、車の減価償却費、維持費、燃料代、保険料、そして潜在的に危険にさらされる運転手同乗者そして第三者の危険負担費用を勘案すれば、安いものではないかと筆者などは考えるのです。

福岡市には、地下鉄私鉄バスに加えて、最近登場して市民権をすっかり獲得した感じのあるフリマアプリのメルカリがグループで展開する「メルチャリ」もあります。

1分4円での利用料金です。

筆者はこのメルチャリを使い込んでいますが、月間のメルチャリ料金は最大2,400円程度、実に月間600分(10時間!)もメルチャリに乗っているという計算になるのです。

それだけ、移動(モビリティ)にかかる人間の手間と費用と時間は大きいという証左でしょう。

これからは、移動手段もシェアして、賢く移動し、事故のリスクを少なくして市民みんなが明るく楽しく暮らしていける世の中を作っていきたいものです。

同様に福岡市では、ミドリムシで世界を変えるという理念で快走するユーグレナという会社が、最近行われたG20中央銀行・蔵相首脳会議(福岡市)に合わせて、世界で初めて、ミドリムシ由来のバイオ燃料による公道自動車運転実証実験を行いました。

自動運転を一気に期待するだけではなくて、手前の一歩めから、リスクの少ない移動手段で安心安全な世の中にしていきたいと考えております。

本日は少し真面目な記事になりました。

結局、暑い中でも自分の足で歩くのが一番早いと感じる筆者からのコメントは以上です。

(2019年6月13日 木曜日)

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