(2019/05/29)2019年5月末に仮想通貨(暗号通貨)ビットコインが100万円近くまで回復上昇してきたことについて

おはようございます。

2019年(令和元年)5月の、仮想通貨長者ではないビルメン王(@shinya_ueda)の暗号通貨(仮想通貨)に関して述べるブログ配信記事です。

筆者のような昭和生まれにとってみれば、「資産」とは形あるもので、例えば家とか車とか、そういったリアルに触れるものが資産というイメージでした。

しかしながら、令和に入る少し前から、ビットコインといった、現状「投機」するだけの価値しかないと思われるデジタル通貨(仮想通貨という名前で呼ばれるブロックチェーンシステム上の「データ」そのもので暗号通貨とも呼ばれる)、その代表的な銘柄であるビットコインの価格が急回復してきています。

2019年5月末において、だいたい100万円まで回復しましたので、要するに1年前、2018年6月初め時点の価格に戻ったということになります。

2018年1月まで、指数関数的な伸びを一瞬見せたこのデジタル通貨群ですが、何の裏付けもなくまた投機対象であったこと、また取引所に厳重に保管されているべきこれらの仮想通貨がいとも簡単に数百億円単位で「盗まれ」どこかに消えていくといった事件も起こり、かつてのチューリップバブル同様に価格が急落し、多くの仮想通貨難民を産んだのは記憶に新しいところです。

この「仮想通貨」の「盗難」については、事実上「未遂」を監視して罰する制約がないので、盗難者はあらゆる電子的手段を使ってトライし放題であるというところが、根深い問題となっております。

相互に監視し、中央演算システムに依拠せず、平等な競争環境といえるマイニングという報酬プロセスでシステム構造自体を維持発展させていくというブロックチェーンという仕組みはこれからの時代をリードする、衡平な「共有」システムの考え方なのですが、このシステムを維持しようとすると、大きなマイニングコスト(サーバー代や電気代)がかかるというのもまた一方の事実であり、ブロックチェーンで管理されているものが現状投機対象としての仮想通貨くらいしかないというのがブレイクスルーが起きにくい大きな原因と言えましょう。

しかしながら、Coincheckでの仮想通貨の流失事案などを乗り越え、金融庁は事業者に対する規制を厳格化し、顧客保護の徹底に努めてきた結果、業界の秩序もそれなりに整備され、一方、ヤフーや楽天、SBI、GMOといった大手IT企業もこの仮想通貨取引業市場に参入してきました。

そんな状況を受けての、仮想通貨市場の復活です。

その理由としては、仮想通貨市場の整備自体もあるでしょうが、世界的な関税障壁合戦や政治的混乱によって、世界経済の先行きが非常に不透明になってきていることもあります。

特に、米中貿易摩擦の最中、人民元から安全資産への逃避を強める中国人の投資家の動きは無視できず、彼らによってビットコインなどの仮想通貨への投機熱、資産逃避熱が高まり、あっという間の回復、急上昇につながったという見方です。

欧州でも、英国のEU離脱是非に伴い欧州議会選挙で混乱が起きています。

実は、過去ギリシャがEU離脱を試み始めた(Grexit)2013年にもビットコインは大きく上昇し、英国がEU離脱を国民投票において決定した(Brexit)2016年にもビットコインは約2倍の上昇を見せています。

もともと従来は、政治経済混乱時の資産逃避先としては、米国ドルもしくは金(ゴールド)が一般的でしたが、これに代わる安全資産として、ビットコイン等の仮想通貨がデジタル資産としてにわかに注目されているというのです。

また、世界中のあらゆる資産を投資対象としている大型投資家の中には、資産ポートフォリオの中に、株式や債券といった伝統的な資産とは値動きの異なる仮想通貨のような資産を組み込み、全体としてのリスクを下げることができると考え、仮想通貨を必要ポートフォリオの一つとして組み入れ始めています。

もちろん、仮想通貨の本源的値段を測らないことには、割高か割安かすら判断できないということで、こうした大手機関投資家の中では、演算能力や電気代などからビットコインの製造原価を計算し、それに流通価値を加えた価格を本質的価値として資産(値段)評価を始めています。

ちなみに、サーバーの演算能力や電気代を提供し、ビットコイン取引を承認するプロセスに参加するマイナー(採掘者)には、対価としてビットコインでの報酬が支払われることになっております。

この、自前通貨による報酬支払いシステムが、ビットコインをはじめとするブロックチェーン技術提供による仮想通貨システムを支えています。

しかしながら、この報酬は「一定期間ごとに半減する」仕組みです。

次のビットコインの半減期到来のタイミングは、約1年後の2020年5月だと推定されており、これにより、報酬の減少=ビットコインの製造原価の上昇につながり、これによるビットコイン自体の市場流通価格も上昇するというわけです。

資産バブルの再登場なのか、Jカーブを描いた市場の健全な成長なのか、2019年後半に入ろうとする仮想通貨市場がにわかに面白くなってまいりました。

わずかながら、大きく含み損を抱えた仮想通貨をまさにCoincheckに引き続き保有しております筆者からの配信記事は以上です。

(2019年5月29日 水曜日)

▷▷次の記事は

(2018/11/03)仮装通貨取引所日本最大手のテックビューロ社が運営するZaifが総額67億円の盗難被害を受けた話です