大手テレビやマスコミの救えない傲慢さについて

「報道の自由」を笠に着て世の中全ての事象をフリー素材まがいに歪曲して不良コンテンツに仕立て上げる大手テレビマスコミの救えない傲慢さについて

おはようございます。

2019年(令和元年)5月の当社(https://twitter.com/suzukishotenllc)提供による大手テレビマスコミに対して物申したいという趣旨のブログ配信記事です。

情報発信における「記者会見」というスタイルにどうも違和感を感じているというのは、先に公開した下記記事において論じさせていただいたところです。

▷▷参照記事

保育園児が被害に遭った事故の「記者会見」という情報発表手段における「報道側」の態度に物申したい話です

おはようございます。 2019年(令和元年)5月の筆者提供によるブログ配信記事です。 情報発信における「記者会見」というスタイルにどうも違和感を感じてきておりまして、…

これだけ直接情報の出し手と受け手がインターネット等を通じて直接つながる手段が豊富にある時代において、本当にこうした「マスコミという媒体を通じた」記者会見の情報を大々的に発信し受け取ることが必要なのか、という観点で申しました。

しかるに、本事案について、さらに遺族側から出された報道関係者に対する「(取材自粛の)お願い」の文書を、剽窃(剽窃。切り取ること)し歪曲してあろうことか国民全体向けへの遺族からのコメント(発表)として「報道」した大手テレビマスコミの、姑息で許しがたい作為が続けてありましたので、ここに検証させていただきます。

本事案は大変痛ましい出来事でありまして、被害に遭われた2名の保育園児のご冥福をお祈りしますとともに、ご遺族ご関係者の皆様には心よりお見舞いを申し上げます。

筆者も、20年以上前になりますが、当該滋賀県大津市の湖岸については、「ボート(漕艇)」関係者として、その辺りを根城に日々湖畔に漕ぎ出しボートを漕いだり、レースに出させていただいたり(戦績は不調なものが多かったですが)、陸上から大会の運営をしたり応援をしたりと、非常に思い出深い地であり、このような形で現地が著名になってしまったことに残念な気持ちでいっぱいです。

滋賀県琵琶湖河畔での無理して右折しようとした普通乗用車を直進ですり抜けようとした軽自動車が衝突し、勢いのついた軽自動車がそのまま跳ね飛ばされて歩道で信号待ちをしていた近くの保育園園児たちと保育士さんの列に突っ込んだというのがこの事故の概要です。

右折車により跳ね飛ばされた直進車が歩道に侵入するのを防ぐ「杭」のようなものの設置を進めるという、かつて2018年(平成30年)6月18日7時58分に起こった大阪府北部地震において、高すぎるブロック塀が倒れてそばを通学途中であった小学生が下敷きとなり亡くなってしまった痛ましい事件を契機に、全国で高すぎるブロック塀を切り取りその部分を倒壊しない鉄やアルミ製の柵で代替するといった工事が行われたように、同様の事故再発防止に向けた取り組みが全国で進んでいくことを期待するものです。

さて、このような、メディアの「社会に対して事故防止を啓発するという大義名分」を振りかざし、こうした痛ましい事故事案に群がり、フリー素材まがいに「報道」して視聴率を稼ごうと企む大手マスコミの態度に対し、遺族側からせめてもの「報道自粛のお願い」が出されたのです。

犠牲となった2名の保育園のそれぞれの遺族から出された原文を「そのまま」引用します。

(その1)

報道関係各位 

青葉の候、各位ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さる、2019年5月8日滋賀県大津市にて残念な事故が起きました。その中で、私共の娘、原田優衣が今回の不慮な事故に巻き込まれ、わずか2年10カ月という短い人生に幕を閉じました。
レイモンド淡海保育園におかれましては短い期間ではありましたが娘のかけがえのない笑顔を見守ってくれた事には感謝の意しかなく今回の事に囚われることなく今後も小さな命に寄り添い、共に歩み続けることを娘もきっと望んでいます。
私共家族としても、家族5人で苦楽を共にし、普通に過ごせると思っておりましたので、今回、娘優衣の突然の逝去に関しては驚きを隠せず、現実とは思えませんでした。然しながら、今自宅で、話をせず、いつも明るく、いたずらっぽい笑顔も見せることもなく、ずっと寝ている娘を見ていると、徐々にではございますが、私共としても娘の死を受け入れざるを得ません。1日たつ毎に家族としても胸が張り裂ける程の深い悲しみに包まれております。
現在優衣を含め、家族5人で最後の一家団らんを過ごしております。報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。優衣は2年10カ月しか親より愛情を受けておらず、最後に私共夫婦・姉弟よりたっぷりと愛情を注ぐ式にしたいと思います。報道関係各位におかれましても何卒私共の心情を察っして頂き、御配慮の程よろしくお願い致します。 

原田 学

(その2)

報道機関の皆様へ 

お願い 

私たちはこの度の突然の事故で大切な家族を失い深い悲しみを受けています。
このような私たちの心情をお察しいただき、自宅や葬儀会場での取材や写真撮影をご遠慮いただきますようお願い申し上げます。 

家族一同

一読して、「報道関係者」を名宛人にした、「取材しないでいただきたい」というお願い文書であることがわかります。

しかしあろうことか、大手テレビマスコミは、この「素材」を、以下のように「改変」し、あたかも国民全体に向けた声明のように「報道」し、事実と違う不良コンテンツに仕立て上げたのです。

代表的な(良心的)マスコミであると筆者が個人的に考えているNHKの事例で見てみましょう(NHKですらこの酷さであることから、他は推して知るべしということを言外に含みます)。

こちらも、「NHKニュースウォッチ9」という番組で出された文章を、原文との違いを付した上で「そのまま」引用します。

(その1)

報道関係各位

青葉の候、各位ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さる、2019年5月8日滋賀県大津市にて残念な事故が起きました。その中で、私共の娘、原田優衣が今回の不慮な事故に巻き込まれ、わずか2年10カ月という短い人生に幕を閉じました。
レイモンド淡海保育園におかれましては短い期間ではありましたが娘のかけがえのない笑顔を見守ってくれた事には感謝の意しかなく今回の事に囚われることなく今後も小さな命に寄り添い、共に歩み続けることを娘もきっと望んでいます。
私共家族としても、家族5人で苦楽を共にし、普通に過ごせると思っておりましたので、今回、娘優衣の突然の逝去に関しては驚きを隠せず、現実とは思えませんでした。然しながら、今自宅で、話をせず、いつも明るく、いたずらっぽい笑顔も見せることもなく、ずっと寝ている娘を見ていると、徐々にではございますが、私共としても娘の死を受け入れざるを得ません。1日たつ毎に家族としても胸が張り裂ける程の深い悲しみに包まれております。
現在優衣を含め、家族5人で最後の一家団らんを過ごしております。報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。優衣は2年10カ月しか親より愛情を受けておらず、最後に私共夫婦・姉弟よりたっぷりと愛情を注ぐ式にしたいと思います。報道関係各位におかれましても何卒私共の心情を察っして頂き、御配慮の程よろしくお願い致します。

原田 学

(その2)

報道機関の皆様へ  

お願い  

私たちはこの度の突然の事故で大切な家族を失い深い悲しみを受けています。
このような私たちの心情をお察しいただき、自宅や葬儀会場での取材や写真撮影をご遠慮いただきますようお願い申し上げます。  

家族一同

省略というより改竄(かいざん)

賢明な読者の皆様、ご覧いただけましたでしょうか。

筆者もブログ記事を2013年8月から累計2,000記事アップしており、日本語使いとしてはそれなりの場数を踏んでいると自負していますが、ここまで狡猾に事実を改変して不良コンテンツに仕立て上げたNHKの番組制作者の悪魔的能力には脱帽するばかりです。

能力というものは、もっと社会の役に立つように使ってほしいものです。

これでは、まるで遺族らが、まさに上から目線で「国民全体」に対し「家族は悲しみにくれている」「心情を察して下さい」と訴えかけているかのような、それはもう歪曲も甚だしい、噴飯もののとんでもない、報道に値しない内容になってしまっています。

全く違います。

「(自称)報道関係者」に対する、「取材しないでくれ」「そっとしておいてくれ」という強い強い「要求」なのです。

「我々は、亡くなった子供含め、お前たちマスコミのフリー素材じゃない」

こう思っていらっしゃるところの、せめてもの「発露」なのです。

自身に対する「警告書」すらすり替えて「報道」の材料素材にしてコンテンツ化するとは、控えめに申し上げても「最低」の所業だと思います。

怒りが湧いて収まらないところかもしれませんが、こうした「不都合な事実」がインターネットの展開による情報の民主化により、すぐさま「検証」されて世の周知されるところになる、という意味において、世の中進歩している、捨てたものではないとも考える次第です。

起こった事象をそのまま、原文や原点に忠実に共有すること、事実と意見とを峻別すること、こうした態度がこれからの時代にはますます必要になってくると感じました。

最後に、ご遺族の、特に原田さんのお気持ちを振り絞った文章、名文です。

心に刻みました。

日本語を使うものとして、襟を正して、私も適切な発信活動をして参りたいと考えます。

こちらからは以上です。

(2019年5月14日 火曜日)

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