(2020/02/01)ITジャイアントのFAAGMに対抗できる「リアル」シェアリングサービスの今後の可能性について

おはようございます。

2019年1月のシェアリング・エコノミーに関する考察配信記事です。

シェアリング・エコノミーとは広い意味で、各経済主体が保有している資産やサービスやノウハウや時間や作業手間などを、広く別の経済主体に一部「提供」し、その提供に応じた対価を得るという経済行為全般を指します。

こうしますと、FAAGM(フェイスブック、アマゾン、アップル、グーグル、マイクロソフトという、2019年1月現在、世界の会社の時価総額の高い会社の最上位に位置するITジャイアント連中)が提供している「クラウドサービス」も、一つのシェアリング・エコノミーであることが見て取れます。

例えばGmailというサービスは、ひとつの巨大なGmailサーバーというものを、グーグルが保有していて、世界中の他者の端末を通信環境で繋いで、あたかも、それぞれ自分のメールサーバーを持っているような感覚で、メールやデータのやりとりを「Gmailサーバー上」で行なっているサービスです。

これは、グーグルが自ら用意した巨大なクラウド上サーバーを、利用者に無償もしくは廉価(月額200円程度)で利用することを認めて、そして利用料というより、顧客が使うビッグデータを貪欲に彼らのサーバーに飲み込ませることで、マーケット分析だの新商品開発などに繋げて、広告主から高い広告料を取ることで彼らのビジネスを成り立たせているわけです。

アマゾンは、アマゾンのオンラインショッピング履歴からアマゾンプライムで視聴した映画やテレビ番組全般の履歴を持っていますし、アップルはアップルミュージックからあらゆる機能を満たす「アプリ」へのアクセス、それからフェイスブックは同窓会サイト全般とメッセージ機能、マイクロソフトは事務作業や表計算ソフトのオフィスシリーズの利用状況を収集しています。

このように、巨大なサーバー投資を続けられるこれらITジャイアントに比較して、我々のような中小事業者や個人事業主がができることは限られる、と思われるかもしれません。

しかしながら、シェアリングエコノミーの本質が、自らが持つサービスや資産の共有であることを考えれば、別に巨大なクラウドサーバーのみがシェアリングエコノミーの主役たりえるわけではありません。

すなわち、不動産賃貸事業者が展開するビジネスに、コワーキングスペース提供(シェアオフィス)というシェアリング・エコノミー的な考え方も出てきました。

例えば、目を鎮西福岡に転じますと、福岡発コワーキング「ザ・カンパニー」の国内3号店「The Company 中洲川端」が誕生し、同社が海外展開するフィリピン・セブ2号店「The Company CEBU IT Park」も開業が決定しました。

これで、福岡発コワーキング「ザ・カンパニー」は、5カ国9拠点に事業拡大することになります。

この「シェアオフィス」では一体何をシェア(共有)するのでしょうか。

まず、一番下のレイヤー(階層)として、オフィススペース(共用部、専有部)の提供があります。

賃貸借契約の形ではなくあくまで「会費」の形で、月額利用料を徴収します。

そうして、日々の業務をこのコワーキングスペースで行なってもらうわけです。

何か、一人で起業して作業や業務を行う場合、第一の場としては、自宅ということになりましょう。

次に、対外的な打ち合わせや場所を変えた取り組みが必要となれば、近くのスターバックスやタリーズコーヒーといった、禁煙でWifi環境が整っている喫茶店で作業するのが次のステップでしょうか。

簡単な打ち合わせなら、その喫茶店のカウンターやテーブルでも行うことができます。

しかしながら、このスタバの「場」の維持には、少なくとも午前中午後と一杯ずつのコーヒーメニューの購入が必要でしょうから、1日1,000円程度の固定費の出費となります。

こうかんがえると、土日も作業する、というフリーランスの方々で考えると、月間30,000円程度の固定費の出費は、ある程度負担できる最低限のもの、ということが言えそうです。

そうすると、ある一定のスペースとしての場を確保できる事業体が、コワーキングスペースとして、このスペースを、こうした起業家に「シェア」して会費をいただく、というシェアオフィス・コワーキングスペースの考え方は成り立つと思われるわけです。

こうしたビジネスプロセス上の仮説に基づきまして、プロジェクト創生型ワークスペース&コミュニティの「The Company(ザ・カンパニー)」を運営する株式会社Zero-Ten Park(本社:福岡市博多区、代表取締役:榎本二郎)は、福岡市中洲川端にて「The Company 中洲川端」を開業いたします。

日本国内拠点としては3店舗目となる中洲川端店は、2019年4月の開業を予定しており、The Company会員資格を持つメンバーは国内外全ての「The Company」店舗を相互利用することができます。

ビジネスの中心地であり、すでにThe Company店舗を構える「博多」と「天神」の中間地点に開業することで、ザ・カンパニーの強みであるマルチロケーションの活性化を目指してまいります。

現在、入居企業とメンバー数は国内外(5カ国6拠点)合計で約360社・750名にまで伸びており、今後予定している国内外の出店計画によってさらなる増員とコミュニティの活性化を見込みます。

こうした、コワーキングやシェアオフィスという考え方をベースに、より高次元なレイヤーとして、仕事を会員同士で融通し合うという、「ワークシェア」や、大家兼シェアオフィス運営会社である株式会社Zero-Ten Parkが、The Company会員を一体とした営業案件を捕捉し、あたかも一つの会社のように、委託関係によりサービスや成果物の提供を行う、そんな展開も期待しています。

「個人がタッグを組みプロフェッショナルチームに」「企業の枠にとらわれないチーム作りが即座に可能」「国内外にネットワークが繋がりグローバルな仕事を」など、空間のシェアを超えた、コミュニティを構築する空間づくりへの挑戦に、ご期待ください。

たまには仕事の話もいたします筆者からの記事は以上です。

(2019年2月1日 金曜日)