(2018/04/30)朝鮮半島南北首脳会談で合意された朝鮮半島非核化というロジックに秘められた北朝鮮の真の意味について

おはようございます。

2018年4月最後の極東国際政治情勢に関する筆者の配信記事です。

その前に、本日をもって、30年を数えているわれわれの年号「平成」もあと1年ということになりました。

今上天皇陛下におかれましては、来年の4月30日をもって、「退位の礼」により天皇位を降りられ、平成31年4月30日をもって平成は終わり、次の年号(現時点で未発表)に移行し新天皇の即位となります。

非常に、感慨深いものがあります。

今上天皇陛下は、退位の礼において、国民に対してお礼のお言葉を述べられるとのことで、まことに畏れ多いことでございます。

国民側の我々も、そうしたお気持ちに応えられるように、しっかりその時に向かってやっていきたいと改めて思いました。

さて、北朝鮮の核問題に関する論考です。

朝鮮半島の南北首脳会談が行われ、それなりの進展があったかというような楽観的な報道がなされていますが、筆者のような懐疑論者にしてみれば、まんまと北朝鮮外交部のシナリオ通りにことが進んでいるように見えてなりません。

なぜならば、日本の大手マスコミも諸手をあげて大きく報じた「朝鮮半島の完全な非核化の実現」という言葉には、非常な困難、というよりありていに考えればほぼ不可能なことであることが明らかなことが含まれているからです。

端的に申し上げますと、北朝鮮は、勝手に開発した自身の「チンケな」核兵器をもって、それを放棄する代わりに、「在韓米軍が持っている「世界一強烈な」核兵器も当然に韓国から除去するよね?」と突きつけてきているだけなのです。

そんなこと、米軍および韓国政府の首脳からすれば、安全保障上どだい無理な話だと思います。

北朝鮮のすぐ後ろには、中華人民共和国(台湾に事実上遷移した中華民国を除く)およびロシア共和国という、世界でも有数の核保有国が控えておりまして、その二国に対する抑止力という意味で、韓国の米軍および韓国軍、合わせて沖縄の米軍、日本の自衛隊というのは非常に重要になっているわけであり、この原則を無視して韓国政府が米軍に対して核兵器を撤去してくれなどと「要望」するような状況は、日本にとっては悪夢でしかないという厳然たる国際政治の状況認識があるわけです。

北朝鮮のもっているチンケな核開発施設と核兵器と、在韓米軍の核兵器の同時撤去、こんなものは明らかにバランスを失していますし、さらに勝手に開発した核兵器の撤去の見返りとして要求するレベルのものではないというのが、日米韓の政治トップの共通認識であるべきだと筆者のような素人でも思うのですが、どうも現在の韓国大統領周辺あたりには「北朝鮮による朝鮮半島の統一」すら望んでいるのではないかとも思われる言動が目立つようで、控えめに申し上げましても危なっかしくて仕方がない、という印象です。

国際政治は魑魅魍魎(ちみもうりょう)の巣です。

健全な批判的精神をもって、ことに当たっていただきたいと願います。

大学の国際政治学の講義の成績はかろうじて「可」でありました筆者からの記事は以上です。

(平成30年4月30日 月曜日)

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