(2019/12/27)スイスを代表する世界大手食品会社のネスレが子会社の米国ハーゲンダッツ事業を4300億円で売却するという記事です

アイスクリーム

食品業界の世界最大手であり、永世中立国スイスを代表する世界企業である、ネッスルブランドのネスレ(スイス)が、2019年12月11日に、同社の高級アイスクリームブランドである「ハーゲンダッツ」などを含む、米国子会社のアイスクリーム事業自体を、英国の投資合弁会社に売却すると発表しました。

ハーゲンダッツ、なんだかドイツ語チックな名前ですが、実はアメリカ生まれでありまして、創業者のアメリカ人が、なんとなくヨーロッパ風の名称で、酪農で有名なデンマークあたりを想起して、ウムラウトを使ったハーゲンダッツ (Häagen-Dazs)という、コペンハーゲンのハーゲンから適当に連想した言葉で、高乳脂肪分を売りにしたアイスクリームブランドにしたのです。

ダッツにあまり意味はないそうです。

ハーゲンダッツの、マカデミアナッツが大好きで、人生において相当量食してきた筆者ですら、ダッツはナッツがなまったものなのか位にしか考えておりませんで、せっせとコンビニ(日本ではセブンイレブンで売っているのが有名)に通ってはついでにハーゲンダッツのマカデミアナッツ味のカップを買い込んで、食べておりました。

うまそうです(ハーゲンダッツのホームページより)

このハーゲンダッツ事業の売却額は40億ドル(約4300億円)となっていますが、筆者も、実はドイツあたりのアイスクリームだと誤解して随分好きで食べてきましたが、特に先進国での消費者の「健康志向」や「ダイエット志向」が強まっていく中、この高乳脂肪分が売りの高級アイスクリームブランドの成長を期待するのは難しいと(投資家の圧力もあり)判断されたものと思われます。

そして、別段借金を返さなければならないネスレが4300億円ほどをもらっても特にどうするか、に注目が集まるのですが、同社は、増加が鈍っている世界中の「人」への食品ビジネスだけではなく、それ以上に、今爆発的に増えている「ペット」に対する食品・栄養関連ビジネスに注力するということです。

ネスレでは、こうした消費者の健康意識の高まりの中で、高脂肪や高カロリーの食品については、選択と集中を進めて、ネスレブランドの毀損を防ぎながら成長分野に経営資源を振り向けるという戦略です。

近年では、米国に展開する、お菓子会社事業も売却し、こうした方針を加速しています。

その一方で、健康志向の消費者に対する栄養関連ビジネスやコンサルティング、加えて、猫や犬といった、人間の単なるペットからビジネスとして計算できる消費主体に高まった愛玩動物(猫、犬、鳥、その他)へのフードビジネス事業など、今後の爆発的な成長高まる見込みの分野に、積極的に投資していくとのことです。

ネスレといえば、筆者はキットカット(KitKat)をすぐ思い出しまして、随分人生の中で食して参りましたが、このネスレを代表するチョコレート菓子も、将来ネスレブランドから外れていく可能性もあるのです。

キットカット(レギュラー)(ネスレジャパンのホームページより)

最近、キットカットの包装は、プラスチックの包装から、紙ベースの紙袋になり、こんなところでも環境問題に注力しているという企業姿勢を出しながら、なんとか中身の「高カロリーな」チョコレート菓子の売り上げやブランドが毀損しないように、慎重に運営しているというのが見て取れるようです。

チョコレートは大好きで、キットカットはチョコ味イチゴ味抹茶味と、なんでもござれの筆者からのネスレ関連記事は以上です。

(2019年12月27日 金曜日)

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