ヤマト運輸の独壇場だった宅配のラストワンマイルにもついにアマゾンが迫ってきており丸ごと飲み込もうとしているという話をしたいと思います(2020/02/03)

ヤマト運輸の正社員宅配の人も少なくなるのでしょうか

おはようございます。

2020年2月はじめの、改めて令和2年の残り11ヶ月を前向きに生きるための記事です。

住むならやっぱり日本だと思っている筆者です。

それでも、仕事や地域活動や育児や介護や、その他生鮮食品の買い物やら食事の準備(炊事)やら洗濯やら掃除やらの家事もありますので、アマゾンなどのインターネット通販はよく使っています。

アマゾンで照明器具や掃除用具などを、買っているのですが、大変なのが宅配です。

届けてくれるのは、ヤマト運輸か、アマゾン指定の業者なのでしょうか、個人事業主のような人です(こちらは、入れ替わり立ち替わりします)。

仕事や家事の都合上、夜の19時から21時の受け取りにしていますが、独立業者の場合は、21時過ぎでも意外に平気でやってきます。

筆者としては、どうせ家にいるので、別段21時を過ぎてもその日のうちに届くからむしろありがたいくらいに感じていますが、ヤマト運輸の場合だと、どうしても21時までに届けられない時には、メールで「予定通りの配送できず、遅配となりすみません、翌日にお持ちします」的な連絡がくることがあります。

しかしながら、有無を言わさず21時で打ち切りするより、もし集配者の方が近くにいて、ついでに営業所に帰る途中に筆者の家があるような場合には、21時過ぎても、チャイムを鳴らしてもらえれば受け取ってもらえる可能性も高く、むしろ配達側受取側双方にとってむしろ手間の削減となり良いのではないか、と思うのですが、その点も考慮した、ぎりぎりの労働基準法もしくは受取側に小さな子供や要介護者がいる場合に22時過ぎに宅配を届けるためにピンポンするというのも、それはそれで問題だろうということで厳密に、運送契約上、21時で打ち切りにしているのでしょう。

すなわち、様々な事情で決まった運営規則を、きっちり遵守する(これがコンプライアンスですから当たり前ですが)ことでサービスの品質を高めようとしているのが日本の宅配最大手のヤマト運輸の態度でありまして、それは非常に尊敬すべき者であるのですが、宅配という、「受け取る側」の事情も多様化している中では、そんなきっちりとした時間指定に拘らない、さらには、不在時にも「置き配指定」という、受取者の受取証明を必要としない配送方法さえ登場させているアマゾンと比べますと、どうしても不利に見えてしまうのです。

なにしろ、受取側の自由とはいえ、家の周辺に、荷物を置きっぱなしすることで、配送完了としてしまうという、考えようによっては恐ろしい配送手段です。

もちろん、ここまで振り切ったことは日本のヤマト運輸や日本郵便、佐川急便ではできませんで、彼らが宅配する場合は、必ず受け取りのはんこやサインを必要としています。

一方、アマゾンの独立業者の場合は、置き配指定をした場合は、受け取り印などそもそも不要です。

受け取りという行為自体を省略して、さらに配送側で勝手に進めて、もう置きっぱなしにしてしまうわけです。

この、利用規約にクリックしたから(絶対全部読んでないけど)まるまるOKね、というインターネット企業の身軽な営業戦略によりまして、特に単身者のような、受け取るということのコストが非常に高い家庭においては、もはやヤマト運輸の配達員は来ずに、いつもアマゾンがクラウドで十把一絡げにインターネット経由で集めた独立宅配業者(個人事業主もいる模様)、ばかりが配送することになっていくのでしょう。

この辺は、隅々まで丁寧な日本企業と、事業効率優先のアメリカ発グローバル企業の差が出ているところです。

アマゾンの宅配業務はクラウド型で、白タクよろしく素性不確かな要員を大勢確保し、品質は粗いけれども効率のよい配達にします。

もし、その運用で配送品や配送サービス自体に関する「事故」が起きた場合は、さっさと損害賠償して、弁済してしまうのでしょう。

事故を限りなくゼロに近づける人員や企業体制、コンプライアンスの手間をかけるよりも、事故を認識したならばさっさと弁護士によって決められた賠償ルールにのっとって処理してしまった方が断然安上がりなはずです。

そして、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便といった配達員の方々が営々と築き上げられてきた、「治安の良い日本」というイメージは、なかなか崩れず、ほとんど素人のなんちゃって宅配個人事業主も、宅配業務というものの信用度がこれほど高い国はないので、顧客に受け取ってもらないといったことはなく、そもそもそういった事故は想定されません。

つまり、宅配業務のクリーンさに、ただ乗りして、市場を荒らしまくっている、ということでもあるのですが、ではどのあたりがただ乗りなのかとアマゾンに詰められたら、筆者としても黙るしかなく、悔しいながら、何か一矢報いるとすれば、アマゾンが借りている倉庫を保有して賃料を取っている倉庫会社の株を買うとか、もしくはアメリカに証券口座を解説してアマゾン株自体を買ってやるか、くらいしかないのです。

逆に、ヤマト運輸の配達の場合は、到着時間が遅い場合が多く、実は到着を待ちながらいらいらする場合も出てきています。

しかしながら、基本、この辺の地域を担当している、いつも同じ担当者の配達員が来るので、顔馴染みとなり荷物を受け取る時には大変ホッとします。

正社員で配達区域も決まっているゆえに、非効率的なのかもしれませんが、その点、配送というものに感じる日本独特のおもてなし感も感じられ、服装も清潔であり誠実感あふれる宅配サービスとなっています。

しかしながら、こうした隅々まで今節丁寧でコミュニケーションも欠かさない、いわゆる日本型のサービス事業は、アプリやインターネットといった手段を用いて統計的処理で襲いかかってくる、冷淡であるけれども犀利で効率的な、アメリカ、中国、インド人の生み出した「効率的なサービス」とやらに、駆逐されていくのかもしれません。

実は、つい最近まで、筆者は、まさかヤマト運輸がアマゾンにやられるとは想像もできなかったのです。

ヤマト運輸がアマゾンの宅配事業から撤退した、という話を聞いて、アマゾンざまあというくらいに考えていたのは愚かでした。

アマゾンは、早速ヤマト運輸の、彼らアマゾンとして考えうる限りの高コスト体質を取っ払った、アマゾン直営の独自の配送網を急速に整え、顧客の批判もなんのその、実際の市場(マーケット)でトライエラーを繰り返し、彼らの望む配送料水準まで、彼らの配送サービスを「圧縮」したのです。

ここに、日本においては、全国にトラック、配送拠点、配達員の輸送網を持っているヤマト運輸が圧倒的に有利に決まっていて「ヤマト運輸が通販を始めれば、アマゾンに勝てる」とすら、ラストワンマイルという本を昔読んだ筆者としては思っていたくらいなのです。

しかし、現実はそうではありません。

どうも、負けが込んでいる、ことを認めざるを得ないくらいに、ヤマト運輸側の売り上げや収益構造がまずいことになってきている様なのです。

見ていて、非常に辛いところであります。

YouTubeや5chにおいても、こうしたクラウド企業にうまいこと煽動された、多数の個人が弱肉強食環境下で巨大な「群れ」や「体制」を作り上げてしまった場合、猛烈な勢力になって、それまでの事業構造や業界のルールを一変しうる、まさに蟻の一穴を起こすようです。

昔々、徳島県にあったジャストシステムという会社が、一太郎という日本語ワープロシステムで一世を風靡しましたが、この会社がインターネットディスクという画期的なサービスを始めてインターネット上にデータの倉庫を持てるのか、と思っていたのがそのまま、令和の世の中においては、今、グーグルのグーグルドライブとマイクロソフトのワンドライブといった、巨大すぎる世界サーバー同士の一騎打ちの様相となっております。

日本人にも、新しい業界をつくるという発想力はもちろんあるのでしょうが、顧客の声に忖度し過ぎて、仕事が丁寧すぎて、事業展開の速さやマーケットシェアでどうしても負けてしまっていくようで悲しいです。

しかし、それが日本の良いところであり、やっぱり住むなら日本だな、とも思ってしまうのです。

実は、ここだけの話、クラウドはまだドロップボックスを使っている、筆者からは以上です。

(2020年2月3日 月曜日)

アマゾン配送サービス争奪戦

ヤマト運輸撤退後のアマゾンの配送サービスの争奪戦の動き等について おはようございます。 2017年7月の熱い経済戦争に関する筆者の観測記事です。 ヤマト運輸が撤退した…