(2020/04/05)感染症リスクを制御する連帯しながら相互に離れないといけないという矛盾した方法を通じて見えてきた世界について

おはようございます。

2020年4月の、感染症を通じて見えてきた世界の話をします。

私たち人類(ホモ・サピエンスという一種類の人類)は、自らを宿主として媒介しあって増殖するウイルス感染症を通して世界を改めて見ているといえます。

その意味で、有史以来初めて人類が、映画や小説の世界ではない、人類共通の競争相手というやつに、宇宙からの侵略者でもなんでもない、リアルな相手と対峙することになったわけです。

同じ経験をしている、その人類全体が連帯感を持つために、なんと大きな矛盾ですが私たちは相互を引き離して生きなければならなくなりました。

連帯感を持つために家にいろ、というのが世界共通の認識となっていて、それは自主隔離という名の、自らを守るというより人類共通の共同体を守るために、最小単位の群れで、できれば個体ごとに隔離して生活することが、人類全体の感染症伝播を防ぐための唯一の方策であるというのが、現時点での我々人類が持っている解答なのです。

新型コロナウイルスに対応したワクチンの開発や、BCC接種がひょっとしたら効いているのではないか、といったのはすべて憶測であり希望であり神話です。

そういう、虚構のストーリーではなくリアルな事象を追い求めてきたからこそ、人類はこの地球上に75億人以上に増えるまで発展しました。

今や、南極大陸にも事実上定住しようというような勢いです。

しかし、時代は急速に変わり、人と直接触れ合い社会的にふるまうことで集団の力を増して組織化し、古くはローマ帝国や漢帝国といった統一国家、統一感のあるキリスト教やイスラム教といった一神教、それから産業革命以降は東インド会社に始まった株式会社制度や通貨資本主義制度(中央銀行制度)といった、イリュージョンや仕組みがうまいこと作用し、人類は幾度とない危機を経験しながらも、長期的にはずっと発展してきたわけですが、今世紀については、この新型コロナウイルスといった感染症予防のイシューが起こる前から、世界人口が減り始めるという稀有な世紀になると国連すら予測していた中でのこのショックが起こったのは、いよいよ人類という地球上でもっとも現在成功している種がこのまま急速に滅びるのか否かといった、まさに分水嶺に来たのではないかと思っているのです。

そこまで考えるかというお考えもあるかと思いますが、たかだか数百年で、人類の人口は、ざっと10倍以上になっているわけで、この先数百年で、10分の1になってしまうことも十分考えられます。

1/10になる、ということの価値判断はそれとして、このような大きな動きが起こっているのは間違いありません。

この、人と直接ふれ合えないことでできる人口減少と、相互に隔離することでどうしても発生してしまう、心の隙間を、音楽と芸術、それからオンライン での会話などが急速に埋めつつあることに気づかされます。

かくいう筆者も、こうした記事をアップすることで、自己満足に過ぎないにせよ悩みや不安を書き出すことにより、自分の精神を安定させることもできますし、そもそも社会的つながりとは、他者に共感し、思いやりを持つことで自らも大切にする振る舞いのことであると気づかされます。

平時はそれでいいだろう。社会的な連帯は、より強固なものだ。公益に積極的に関わるという意識をもちか、医療従事者が恐怖と疲労の中で踏ん張り続けるのに拍手を送り、私たち対あの人たちというような、かつての部族的国家的思考で考えても、今から以降はほとんど意味はなさそうです。

今、最も意味のある社会の構成単位は、全人類という集合体でありましょう。

極限られた人として選ばれるのって優越感有るよねぇ。

人類、みな兄妹姉弟、きょうだい、というわけです。

しかしながら、人間は社会的動物でありまして、なかなか全人類のことを考えて行動せよ、と言ったところで難しいところがあります。

人間は、人と比べるのが大好きですから、きわめて限られた人として選ばれるのって優越感有るんですよねえ。

その選ばれた「場」が外界と隔たれていればいるほど、それはさらに特別感が湧くものなのですよね。

さらに、その場の真ん中に、自分があこがれてやまない人がいたりすれば、それは近寄らないようにするほうが難しいことになります。

我先に集まり、シャウトして、自分の所属願望や同調圧力に身をゆだねたくなってしまうのが人情です。

その憧れの人たちと、または一緒に集ったなかまたちと、ハイタッチをして、握手して、たまにはハグまでしちゃったりすれば、もう舞い上がって、アドレナリンも出てそりゃあ幸福感に包まれるわけです。

ここで話し合われたことが、世界に影響力を持つかもしれない、って考えるだけで、なんだか使命感がわいてくるのです。

人間は、そのような特性を唯一の強みとして、この地球上に広がっためずらしい動物なのです。

これが、人間が人間に対する磁石のような吸引力、いわば「集・近・閉」の抗えない魅力というものなのです。

これが本当に奥深く、根深く、我々の深層心理に差し込んでいるから、今回のウイルス感染症との長い戦いは、緒戦は人間側の大負けで始まったというわけです。

人間のこれまでの強みが一気にウィークポイントとなった今回のコロナ戦役、おそらく収束ということはなさそうであり、人類全体が新しいこのウイルスに抗体を自力で持つようになるか、もしくはワクチンという、いわば偽薬を開発して抗体獲得を人為的に進めるのか、その両方で進んでいくでしょうが、長引くことは確実でありましょう。

こちらからの意見は以上です。

(2020年4月5日 日曜日)