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(2020/03/10)歴史に学ぶパンディミック(流行症)について:1919年スペイン風邪を例に今回の2020年新型コロナウィルスを比較して理解する話です

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パンデミック解説(スペイン風邪に学ぶ新型コロナウィルスの影響について)

おはようございます。

2020年3月の配信記事です。

新型コロナウィルスによる影響が世界中に広がっています。

世界の資本主義の総本山、ニューヨーク市場ではダウ平均株価が急落、2,000ドル以上の下げを1日で記録しました。

これで、筆者が知る恐慌的な状況である、2008年リーマンショック、2011年東日本大震災を上回る世界経済を揺るがす影響になったことが「確定」しました。

世界中で、これまでのやり方、生き方に急激な変更が迫られています。

「握手」「ハグ」といった身体を接触させて親愛の情を示す、あいさつ行為が全面的に「自粛」「変更」されました。

おそらく、これは今後「復活」することはないでしょう。

飛沫感染、濃厚接触が疑われると、新型コロナウィルスを発症したと「認定」された人のそばの人においても、最低2週間の経過観察期間となり、その間、仕事などのまともな経済活動、社会活動ができなくなります。

このことが、対人接触関係に、物凄い「リスク」として認知されてしまった今、世界はどこに向かうのか、今のところ予想もできません。

中国武漢から発生した、この新型コロナウィルスですが、すでに世界中に広がり、グローバリズムに乗って、ついにフランスやイタリアの閣僚が発症、アメリカの患者数が日本を超えるといった事態にまで至っています。

対人近接が否応なく起こる、スポーツイベントやコンサートなどは、軒並み中止もしくは「来年に延期」に追い込まれ、人間の経済活動の大きな部分が「欠損」したまま、日々を過ごさざるを得ないという状況が続いています。

悪いのは、金融危機にせよ、大地震にせよ、放射能汚染すらにせよ、災害が起こったところが一番の危機であり、その後はペースの濃淡や早い遅いはあるものの、一貫して「回復」「復興」していくことが濃厚だと信じられることに対して、今回の新型コロナウィルスは、発熱発症していない「普通」の人たちが、知らず知らずのうちに、新型コロナウィルスの保菌者、キャリアになってしまっているということであり、その自覚症状もなければ、検査体制も絶対的に不足していることから、検査して身の潔白を主張しようにもその手段がない、という委縮作用が半端ないところです。

いわば、人間社会の個人個人の主体が、わずかながらではあるものの確実な「新型コロナウィルスという未知の病気のリスク」をしょって、そのリスクを取り合える関係にある者同士しか、原則物理的な接触(要するに、ただ会う、というだけのもの)を避けざるを得ないというところが、悩みの種なのです。

このパンデミック的な状況を学ぶには、前の世紀の初めに世界中を恐怖のどん底に陥れたスペイン風邪について振り返って、そして比較して検証しておくことが重要だと思いましたので、少し説明しておきます。

スペイン風邪(英語: 1918 flu pandemic, Spanish Flu、スペイン語: La pandemia de gripe de 1918、gran pandemia de gripe、gripe española)は、1918年から1919年にかけ全世界的に大流行したインフルエンザの通称です。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によるインフルエンザ・パンデミック重度指数(PSI)において、最上位のカテゴリー5に分類される歴史的大流行であり、それまでの「ペスト(黒死病)」と並んで人類を危機的な状況に追い込んだ感染症です。

感染者5億人、死者5,000万~1億人と、爆発的に流行しました。

このスペイン風邪の正体は、A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)でありますが、当時の人々にとっては全く新しい感染症(新興感染症)であり、スペインかぜに対する免疫を持った人がいなかったことがこの大流行の原因だと考えられています。

つまり、100年に1度程度の頻度でありますが、このような「既存の人類」には未知の病原体がやってきて、猛威を振るうことがあるということを、人々は覚えておいてもらいたいですし、災害は忘れた頃にやってくるという言葉通り、今回のNYダウ下落率7.79%は、1987年のブラックマンデーの下落率22.61%の1/3とはいえ、絶対額としての▲2,000ドル超の暴落は見ていて気持ちの良いものではないものです。

流行の経緯としては、第1波は1918年3月にアメリカのデトロイトやサウスカロライナ州付近などで最初の流行があり、アメリカ軍のヨーロッパ進軍と共に大西洋を渡り、5〜6月にヨーロッパで流行しました。

流行源はこのようにアメリカなのですが、感染情報の初出が第一次世界大戦での中立国スペインであったため、この名で呼ばれることになりました。

スペインかぜの感染者は約5億人以上、死者は5,000万人から1億人に達しました。

対して当時の世界人口は18~20億人であると推定されているため、全人類の3割近くがスペインかぜに感染したことになります。

感染者が最も多かった高齢者では基本的にほとんどが生き残った一方で、青年層では大量の死者が出ているという、今回の新型コロナウィルスとは逆の相関を示しています。

致死率は、前述の通り、5憶人罹患して死者が5千万人~1億人ということですので、10%~20%と推定されますので、今回の新型コロナウィルスでの3.4%(世界平均、日本は2%程度)というものよりはるかに重大であったことになります。

当時は第一次世界大戦中でしたが、このスペイン風邪の大流行により多くの死者が出て、徴兵できる成人男性が減ったため、世界大戦の終結すら早まったといわれています。

大日本帝国(日本)でも、当時の人口5,500万人に対し39万人が死亡し、アメリカでも50万人が死亡しました。

これらの数値は感染症のみならず戦争や災害などすべてのヒト(ホモ・サピエンス)の死因の中でも、最も多くのヒト(同上)を短期間で死亡に至らしめた記録的なものとして記憶されています。

このスペイン風邪の犠牲となった著名人としては、ドイツのマックス・ヴェーバー(政治学者)や、グスタフ・クリムト(画家)、オーストリアのエゴン・シーレ(画家)、そして日本の建築界の巨塔である辰野金吾(建築家)、それから筆者が個人的に彼の(改変された)胸像を大学構内で見ないことはなかった折田彦市(教育者、元第三高等学校(現在の京都大学前身)校長)といった方々もおり、人類にとって大きな損失であったことは間違いありません。

これだけのたった100年前のパンデミックの実例を見ながら、今回の新型コロナウィルスについて、人類がどのように対峙し、そして「克服」して、自らの社会をどのように変えていくか、非常に興味の尽きないところであります。

次に同じようなことが起こるのは、100年後かもしれませんし、近い将来なのかもしれません。

何しろ、スペイン風邪の時期の人類の総数の、なんと4倍もの人間が、2020年現在の地球上には存在するのですから。

それだけ、リスクも高まっているということなのです。

しかし、「計測できない」というリスクでもありません。

センセーショナルに流れる、断片的な情報に、人類全体が右顧左眄しない胆力が試されているのかもしれません。

こちらからは以上です。

(2020年3月10日 火曜日)

(2019/06/29)かつて世界に雄飛し日本の外国為替を一手に担った「東京銀行:BOT」という凄い銀行があったという話をします

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