個人の見解であり関連する組織等とは関係ありません

(2019/12/23)海外は自己の能力や技術(スキル)向上のために学び日本は学歴ブランドのために学ぶ残念な「傾向」があるというショッキングな話をします

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既得権益

おはようございます。

日々「学ぶ」とは何か考えながら生きております筆者からの配信記事です。

さて、海外で有名な返済不要の奨学金制度を展開しているフルブライト財団の統計を見ると、日本人留学生の世界標準から外れた、いわゆるガラパゴスぶりがよくわかります。

すなわち、他の国からの留学生=修士や博士が多く、日本からの留学生=学部が多い、という傾向です。

また、他の国からの留学生=理工系が多く、日本からの留学生=文系が多い、という傾向もあります。

そして、「日本からの留学生」には、「他の国からの留学生」にはほとんど存在しないカテゴリである、「学位を取らずに、語学留学だけ」というカテゴリの「留学生」が異常に多いということになっています。

すなわち、「日本からの留学生」は、アメリカやヨーロッパで仕事には就かずに(就けずに)に、そのまま懐かしの日本に戻ってきて、「英語が得意?」なだけを能力として日系企業に対して売りにして、その実、あんまり英語をビジネスでは使わないであろうと思われる、日系顧客相手の事務や営業の年俸500万円くらいの仕事をする人が大半という状況になっています。

少々厳しい言い方をすれば、まったく、完全に、「趣味」「海外遊学」の領域を超えていないのです。

他国からの留学生は、理工系の修士や博士をとって、アメリカやヨーロッパ、もしくは中国の深圳などで研究者やエンジニアの仕事を見つけて、年俸1500万円から、くらいの仕事をする人が大半です。

そして、フルブライト留学の奨学金をもらえば、アメリカの理工系の大学院だと、授業料免除、生活費支給が普通なので、それと合わせると、お金やコネがなくても、熱意と学習を継続する習慣があれば、余裕で自学してキャリアアップすることができます。

シリコンバレーあたりで勉強をつづけながら働きたい、と望めば、エンジニアリングか、コンピュータサイエンスを専攻しておけば、修士か博士を取ったあとに、アメリカならばOPTでワーキングビザが一年分でるので、初年度年収1500万円が相場のところ、ワーキングビザをくれたら年収1000万円くらいのQAエンジニアなどの人気がない仕事でもいいですと言えば、余裕でシリコンバレーでの仕事にありつけます。

それから、更に5年のワーキングビザをもらうか、アメリカ永住権を取得したら、転職して、年収1500万円から3000万円くらいの人気のある開発エンジニアなどのポジションに移ればよいです。

そして、永住権がとれたら、起業もできる、いわば「金持ち父さんシリーズ」における投資家サイドに転ずることもできるのです。

さて、これに対比する日本の現状を挙げてみましょう。

12/22(日) 18:57配信朝日新聞デジタル版が、「医学部入試で「年齢差別あった」 男性が順天堂大提訴へ」というニュースを配信しております。

これは、(日本の)順天堂大医学部入試で年齢を理由に不当に不合格にされたとして、社会人経験のある元受験生の男性(34)が近く、大学に対し、数千万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす、というものです。

日本において長期間秘密裏に行われていたという、一連の医学部入試不正をめぐっては、訴訟もなされていますが、そもそも、入試が不適切だからといって大学を訴えたところで、学習する時間が戻ってくるわけもなく、双方にとって徒労であり、特に学習者としては、そんな、(日本の)医学部だけに強烈な幻想を抱いてしまっているという点こそが、最も問題であるのではないかと思うのです。

訴状などによると、男性は2018年度入試で、順天堂大の3種類の入試を受けたそうで、一つは1次試験で不合格、二つは2次試験(最終試験)で不合格とされましたが、不適切入試が発覚した後の昨年12月、大学側はいずれも合格だったと男性に通知したということです。

大学が設置した第三者委員会の調査報告書によると、同大は女子や浪人回数の多い受験生が不利になる基準を設けており、受験生の多くが20歳前後の中、30歳超の年齢に対する「更なる差別があった」と訴えているのですが、自らを受け入れてくれない教育機関に対して、ここまで粘着質に絡んだところで、得られるものは少ないのではないかと思うのです。

落ちるのも人生であり、受かるのも人生、その後の人生は完全に自分が決める、自分次第、だと思っておりまして、これは筆者が「名誉塾長」をやらせていただいている壱岐島の田舎の自学型学習塾でも常々言っていることですが、「自ら学ぶ」場所を主体的に求めていく前向きな熱意がないと、何にもならないと思うのです。

教育機関に対して訴える暇があるのであれば、もっと前向きなことに自分の熱意や能力や時間を使ったほうがよほど生産的で満足できるでしょう。

これが、小学校のころから高校まで、誰も幸せにしない、日本独自の、同学年偏差値輪切り方式という誤った教育制度や文化のなれの果てのように見えてなりません。

学習する、とは自らのものであり、決して社会的に生きていくための安定地位を得るための椅子取りフルーツバスケットゲームではない、ことは繰り返しておきたいと思います。

なぜ、このような「訴訟」が起こるのでしょうか。

これは、日本における「医師免許」が強烈に、日本においてはおそらく最後の岩盤として既得権益化していることが原因なんだと思います。

この解消方法は、簡単です。

日本の80数か所ある医学部の定員をすべて2倍にすればよいだけです。

しかし、卒業するための要件を厳格にして、卒業できるのはその半分、とすれば良いのです。

これで、万事すべて解決です。

ここからは、完全に筆者の個人の感想を申し上げますが、最近の医学部受験生の半分くらいは、まじめに医者や医業をやる気なんてなくて、単に既得権益(高い地位、報酬)を狙っているのではないかという「説」を唱えています。

医業には、全く向いてなくてダメであっても、場末の老人病院やコンタクトレンズ屋や健康診断などで食いつなげるのに魅力を感じてるという、そんなしょうもない理由で、今だけ頑張ればOKというような「保険」目当てで医学部を目指している、というような層が多すぎるのではないかと考えています。

さらに、この訴訟主である特に30過ぎて再受験するような人達は、他のいくらでもある、社会人としての職業ではまともにやっていけなくて、仕方なく、医師免許という既得権益に潜り込んで食いつなごうという人が大半だと思っておりまして、この状況は、かの清朝末期の高度化の極みに達した、悪名高い「科挙」そっくりの状況になっているのではないかとすら思います。

ですので、今の医学部の入学試験の仕組み(科挙)をもっともっと公平な運営にする、というのは全く本質的な「解決策」にはならないのです。

この手の、「既得権益狙い」の人々は、いつの時代のいつの社会にも一定数いるという「説」に立ちますと、かつては、「公的官僚養成学校」「大企業社内官僚育成所」と言われた東京大学の法学部経済学部などの文系学部卒から、官僚や大企業へのパワーエリートという「約束された道」が、最近急速に「崩壊」してきたことを踏まえて、代わりに潜り込むべき先として、全盛期の戦後高度経済成長期(昭和)の既得権益であった官僚や大企業社内官僚といったものに比べれば劣化版市場ではあるけれども、資格や毛並みさえあれば、既得権益層の中に潜り込める医学部→医者という別の小さな既得権益になだれ込んでいるだけ、という大胆な「説」を提唱します。

その、小さな医学部という既得権益も、少子化による国民健康保険制度や介護保険制度の崩壊により、将来、簡単に消滅することでしょう。

この点、英米系の教育システムは、うまく、「科挙」のように学歴や資格がそれ時代で既得権益化しないようにうまく制度設計されているように感じます。

こちらの、自由主義経済国の教育システムは、大学学部や大学院への入学にしても、国家資格の試験にしても、基本的にはエブリワンオーケー、いわばゆるゆるにして、入学後、資格取得後に自由に市場において競争させて、既得権益狙いのダメな(使えない)業者を自動的に排除するという仕組みにしていると言えます。

就職にしても、エンプロイメント・アット・ウィル (employment at will) と言う言葉のとおり、雇用者も就業者も、いやなら辞める、お互い様という権利が大切にされています。

これは、日本においては「全く」耳にしない言葉だと思います。

英米法での雇用関係を示す言葉で、雇用者・就業者の権利を単純明快に示しているもので、就業者はいつでも気が向いたら会社をやめることができるという権利で、同時に雇用者側も社員に理由を伝えず雇用関係を無くすことができる(解雇できる)という権利を示しています。

もちろん会社によってはノーティスから解雇・離職までの期間を指定する場合がありますが、一般的には2週間です。

これは、日本の労働慣行の特殊性を理解するための、対比として超重要な180度違った考え方です。アメリカを含むいわゆる諸外国を本当に理解するためには大切なことだと私は思っています。

日本ではこのようなことは社員や企業側の勝手でそんなことは許されないことなのだと皆さん思っていると思いますが、やはり、組織における新陳代謝は非常に大切でありますから、うまいこと一流企業に潜り込んでも、ダメならダメですぐ辞めれれる、または解雇できる仕組みにしていくことが大切だと思っています。

こうしない日本においては「一流企業の正社員という少数派の地位の既得権益化」がますます進んでいると感じています。

また、それゆえに、英米系の国では、大学受験浪人や、国家試験浪人はほぼ存在しません。

国家試験なんかは、大学在学中または卒後すぐに受験するか、働きながら受験するのが普通ということになり、大学院も、ビジネススクールや、ロースクールなどの実験の無い場合には、夜間のパートタイムで働きながら勉強する人が多いです。

一方、メディカルスクールを除く理工系の大学院では、フルタイムで働いているのと同じなので、授業料免除で生活費が支給されます。

もちろん、理工系の大学院を出れば、まったく同じかそれ以上の職歴を積んだのと同じ扱いになります。

これらの国の、「医者」については、メディカルスクールを出て医師免許をとっても、それだけでは高給にありつけなくて、さらに修行を積んで専門医になって35歳くらいでようやく高給にありつけるというような感じであり、常に進化し続ける学習者に対して適切な報酬が用意されているという非常に効率的な労働市場システムになっていると感じています。

このシステムの唯一の弱点は、大学の学部の授業料が高すぎる(特に私学は)ことですが、それを除けば、実に素晴らしいといことになります。

学歴や国家資格をそのまま「既得権益」にしてしまうと、優秀で志の高い人は、金で転ばないし、仮に金が儲かってもそれを自慢なんてしないからいいんだけど、その他大勢の、いわゆるダメなやつほど、他に誇るものがないから、どうだ、この学歴や資格があるだけで儲かる、儲けることができるといった謎のマウンティングをしてくるので、それを真に受けたまともな若い人たちが、そのような不純な動機でなだれ込みはじめて、その業界がおかしなことになってしまうという例が日本ではよくあります。

そして、特に専業主婦のような自分では仕事も事業もやってなくて労働市場のことをあまりよくわかっていない、いわゆる「教育ママ」「教育保護者」「貧乏父さん」が、そういうダメな人たちのマウンティングを、受験産業による拡大宣伝にまみれてそのまま真に受けて喧伝するので、さらにこうした悪影響をばらまかれる、ということになってしまっているようです。

おかげで、本当の意味でノブリス・オブリージュを貫く、真のエリートコースが、目に見えにくくなってきているのです。

とにかく、既得権益化にはろくなことがないので、それをいかに防ぐかが重要なんだけど、一旦、その手の既得権益システムが確立しちゃうと、清朝末期の科挙に合格した士大夫階級のように、宿主である国家を滅亡させるまで、その既得権益システムはジリ貧ながらも周囲から付加価値を吸い上げて周囲を貧困化させながら生き延びてしまって、なかなか崩壊しないので困ったものなのです。

日本は、一旦、2040年頃に、今の筆者らの息子娘世代が35歳の働き盛りの頃に、少子高齢化でグチャグチャに財政破綻するまでは、今の既得権益システムが残念ながら壊れないだろうという諦念を持っています。

さて、ついに、このことを、公開ブログに書いてしまう日がやってきたようです。

日本の教育に根差す大きな問題だと、筆者は実は高校生くらいの時にうっすらと気づいたのですが、6年もブログを続けた言語化能力と読者のみなさんの温かいフィードバックやお寄せいただく感想のおかげで、ようやく上梓できるようになりました。

この「説」は今後いろいろと補強補足していきたいと考えておりますので、筆者のライフワークとして、是非お付き合いください。

それでは長くなりましたが、今日の記事は以上です。

(2019年12月23日 月曜日)

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