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三人寄れば文殊の知恵(高速増殖炉もんじゅの廃炉が決定した件)

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原子炉の略図

おはようございます。

2016年12月、ビルメン王提供の年末のブログ配信記事です。

廃炉といえば原子力設備のことではないかといわれるくらい、原子力施設の廃炉問題が世間をにぎわす時代になりました。

このたび、平成28年12月22日に閣議決定において廃炉の方針が決定した高速増殖炉もんじゅですが、この文殊の知恵のもとになった文殊菩薩の名前を冠された巨大な核燃料再利用炉は、1兆円もの国費をつぎ込んだ結果、残念ながら目立った成果を上げることができずに長い長い廃炉への道を辿ることになります。

もんじゅは、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉で、あくまで研究用の原子炉です。

巨大な研究施設で、発電による利潤(商用化)のための基礎研究を行うものとして設立稼働してきました。

なので所管する国の機関は文部科学省であり、他の商用原子炉が経済産業省であることとは一線を画しています。

今回の廃炉決定を受け、文部科学大臣が責任を取るため報酬の返上を検討しているとも伝わります。

もんじゅが目指した高速増殖炉とは、核分裂を起こす原料であるプルトニウムとウランを混ぜ合わせた燃料を利用し、これらの原料が核分裂反応を起こす際に、一緒に燃やした以上の再生プルトニウムを生み出せないかというもので、まさに夢の装置として設計されました。

つまり、「消費する核燃料」よりも「新たに生成すできる核燃料の方が多くなる」という物凄い原理の原子炉のことです。

高速で運動する原子の構成要素である中性子を利用して、ウラン238(自然界にたくさん存在するが核燃料には適さない)を、プルトニウム239(こちらは人工的に生成できる核燃料)に変えてしまうということなのです。

もう少し突っ込んで素人解説しますと、広島に70年前以上に米国が開発して落としたところの原子爆弾(広島型原爆)は、核分裂を起こしやすい天然に存在するウラン235というものを使っていました。

しかし、ウランの中のウラン235は、実に全体の1%弱という希少なものでありまして、残りのほとんど99%は、核分裂をほぼ起こさないところのウラン238なわけであります。

ということで、ウラン鉱山があった!と掘り出しても、掘って生成したウランの実に1%しか実は使えないことなのです。

ここで、大量に(比較の話ですが)存在するウラン238に、中性子をPPAP的にあーん、と1つぶつければ、あら不思議物質は根源的に変化してウラン239ではなくプルトニウム239という核分裂が容易な物質に変化するのです。

高速増殖炉は、このプルトニウム239の生成を原子炉として使うのと同時にできないか、という合わせ技として考案された技術なのです。

もちろん、プルトニウム239の生成という「原料づくり」と、ウランやプルトニウムを使った核分裂による発電等の「エネルギー利用」を同時に行うというのは、例えばボイラーの排熱を利用したヒートポンプ構想とかいろいろと類似の概念はあるのですが、扱うのが核分裂エネルギーというとてつもなく大きな臨界点を超えた代物になりますので、実用化には長い年月と研究者たちの努力が必要なものであることは間違いないのです。

ところで1兆円の国費とありましたが、数字で記すと1,000,000,000,000円となります。

これは、英語で言っても日本語で言ってもちょうど桁が合う「兆」という単位で、英語では「Trillion」です。

日本語での数字の表し方が、1万で単位が変わるのに対し、英語は、1k(つまり1千)で単位が変わるので、例えば1億円は100Million(ミリオン)ですし、10億円になると1Billion(ビリオン)なのですが、ちょうど日本語で言えば4×3、英語で言えば3×4、ということで、ちょうど1兆=1Trillionとなるのです。

しつこく記しますと、

日本語 1兆円 1、0000、0000、0000円
英語 1Trillion yen 1,000,000,000,000円

となります。

そんな大きな札束は想像できませんが、教育と研究には金がかかるものだということを最後に記しまして、本日のお話を終わろうと思います。

ウランと言えば手塚治虫の鉄腕アトムしか思い浮かばない昭和の筆者からは以上です。

(平成28年12月23日 金曜日)

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