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(宅急便物語)サービスの一律展開と新市場開拓の好事例について語ります







おはようございます。


2017年2月の配信記事です。


サービスを一律に展開し、わかりやすい商品構成で消費者に訴え、広告ではなく口コミと営業職員の粘り強い宣伝活動で、それはビジネスにならないだろうという分野で立派にビジネスを成立させた事例があります。


黒猫運輸の宅配便のことです。あえて業界を一般化するなら宅配事業ということになりますが、黒猫がその嚆矢であることはまちがいありません。

そもそも全国一律1個500円で配送しようという個人宅配事業の開拓は、業界の常識では考えられないことでした。単価が小さすぎどこからどこまでの配送パターンも無限にあり収支が読めないどころかやればやるほど赤字のボランティアと見做されてきたわけです。


個人向け配送業務は全国の有名百貨店の間を配送する卸業者付きの配達業者のそれこそ「ついで」のサービスとして細々と続いていた程度でした。





大口配送が取れるが下請けで価格競争力はない百貨店集配業務からの撤退






こうした中で、在京大手の日本橋百貨店の配送業務から完全に手を引いた黒猫運輸が独力で市場開拓を始めました


大手百貨店の下請けでは仕事にならないという危機感の現れでした。


直接サービスの恩恵を受ける消費者と自らのサービスを繋げたいという理想がそこにあったと思います。

東京から隠岐島や佐渡ヶ島屋久島までの配送ならば一個単価500円の配送コストはおそらく赤字でしょう。


しかし狙った効果は全国配送を謳うことで荷受けできる量が格段に増えるという予想だったのです。


いちいちここからここまでの配送はお引受けできませんとするのではサービスがわかりやすくない、わかりやすいことで荷受量が倍増するならば少々の僻地への配達は広告料みたいなものではないか、また僻地や離島の人ほどこの宅配サービス(宅配便)の恩恵に預かれる人のはずだそのように当時の会社は考えたに違いありません。

そうして荷受量が一定の閾値、レベルを超えた時少しづつ利益が流れ落ちれくるようになったのです。


そこまでの全国配達網を築きあげる苦労は並大抵のものではなかったと思います。


しかし、この地道な地ならし作戦が個人宅配業界という新しい業界を形作り、多数の追随業者を生み、今ではすでにそこにあるサービスとして認知されていくことになったわけです。

黒猫運輸は、全国にポストと日の丸局を有する日の丸郵政が宅配事業に乗り込んできた時も、全く怯まず正々堂々と戦いました。


大事なのは組織の大きさではなく、お客に荷物を気持よく手渡すまでのサービスである、投函して終わりではないという自負があったからでしょう。


最後まで日の丸とは組まずに黒猫運輸と提携し続けたコンビニチェーンこそ、業界トップの711でした。


一流は一流を知るといいます。


業界トップというのは単に業界でトップという以上の責任や気概・誇りがあるものだと感じる話でした。


最後に、宅急便というのはヤマト運輸の商標ですので、使うときには留意が必要です。


業界の一般名称としては宅配便という言葉が使われるようです。


そういうわけで、魔女の宅急便という本や映画についても、この会社の許諾を得て使用しているということになります。


2位以下に甘んじている筆者からは以上です。

(平成29年2月25日)

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