さん付け

な、なぜ本田さんはW杯の解説で、年下の選手まで「さん」付けするのか——その理由が、思っていたより深いところにあった

W杯が始まってから、本田圭佑さんの解説が話題だ。

W杯3大会出場、日本人最多の通算4得点。
その経験から来る分析は鋭く、しかも視聴者が感じていることをそのまま言葉にしてくれる。

「コーチ陣、レジェンドいすぎでしょ」
「後半28分、3点リードで『今日は勝ちますね』」——

ぼくも試合中ずっと耳を澄ませていた。

でも、試合後にじわじわ気になってきた言葉遣いがあった。

「伊東さん」「上田さん」「小川さん」「菅原さん」——

全員、本田さんより年下だ。
まだキャリアを積んでいる途中の選手も多い。
それでも、全員に「さん」がついていた。

テレビの解説でそういう呼び方をする人は、ほとんどいない。
その世界で、本田さんだけが「さん」をつけ続けていた。

なんでだろう。
調べていくうちに、思っていたより深いところに答えがあった。

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🍺 久保さんだけが「タケ」の理由
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面白いのは、一人だけ例外がいることだ。

久保さんだけは「タケ」と呼んでいた。14歳年下なのに。

本田さんはYouTubeでその経緯を話している。

カタールW杯が終わった後、東京で偶然会う機会があった。
飲みの席で、久保さん本人からこう言われたという。

「本田さん、マジで久保さんはやめてほしいっす」

その場で「わかった、タケって呼ぶよ」と約束した。
でも酒も入っていたので、その夜は何度も「久保さん」に戻ってしまい、「タケ」が定着するまでに時間がかかったと笑って話していた。

つまり逆に言えば——本人から直接「やめてほしい」と言われない限り、全員に「さん」をつけ続けるということだ。

なぜそこまで徹底するのか。

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💬 本田さんが語った、たった一つの理由
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本田さんは以前、取材にこう答えている。

「オレはまず、一律で、自分と一緒に長い間代表でやっていなかった人には、"さん"をつけるようにはしている。むしろ、ビジネスの世界では当たり前の話なんで。だから、サッカー界はちょっと遅れてんのよね。体育会系が過ぎる、というか」

さらにSNSでは、こう書いた。

「スポーツ界の無意味な縦社会はなくした方がいい。関係が深くない先輩に偉そうにされると、ん?誰?って思ってしまう。同じことをしたくないから『さん』を付ける」

「サッカー界は遅れている」——
この言葉の意味を、もう少し深く考えてみたい。

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🏫 その「上下関係」は、どこから来たのか
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ここからは、ぼくの解釈だ。

体育会系の上下関係の起源を調べると、明治時代まで遡る。

1882年、日本政府は学校教育に軍隊式の教練を導入した。欧米列強に対抗するため「強い国民」を育てるという目的で、現役の軍人が学校に入り、軍隊の規律を子どもたちに叩き込んでいった。上官の命令に絶対服従する。年次が上の者には逆らわない。

つまり「先輩は絶対」という感覚は、もともとスポーツとは関係がない。
軍隊の論理が、戦後の日本社会の集団活動全体に流れ込んだものだ。

会社でも、地域の組織でも、スポーツの現場でも——
人が集まって何かをする場所には、どこにでもその空気が染み込んでいった。

ただ、ビジネスの世界は少しずつ変わってきた。
欧米では年齢や経歴に関係なく、まず一人の人間として敬意を持って接するのが当然だ。
国際化が進む中でその考え方がビジネスの世界にも浸透し、「さん」でフラットに始める文化が根付いてきた。

一方でスポーツの世界は、勝つことに集中する環境の中で、そういった変化にまで目が向きにくかったのかもしれない。

本田さんが言う「サッカー界は遅れている」とは、そういう意味だとぼくは思う。
現役選手でありながら複数の事業も手がけ、ビジネスの世界も知っているからこそ、逆側から見えた。「あれ、遅れている」と。

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🔧 ちょっとだけ、ぼくの話を
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ぼくは高校まで野球をやっていた。
先輩の言葉は絶対で、グラウンドでの上下関係は厳しかった。
会社に入ってからも、先輩や上司から教えていただく中で、謙虚に学ぶ姿勢の大切さを身に沁みて感じてきた。それは今も変わらない。

ただ、本田さんの言葉を聞いて、改めて思うことがある。

経験を積んだ先輩から学ぶことと、年齢や経歴が長いだけで偉そうにすることは、まったく別の話だ。

サッカーで言えば、チームとして結果を出すことが何より重要だ。
会社も同じで、お客さんに喜んでいただき、みんなの仕事がちゃんと実を結ぶためには、目的と関係のない上下関係は邪魔になることもある。

本田さんが全員に「さん」をつけるのは、相手の年齢や実績で態度を変えないということだと思う。
どんな相手でも、まず一人の人間として敬意を持って接する。
その一貫した姿勢が、「さん」という一言に出ている。

体育会出身のぼくも、そういう考え方をちゃんと取り入れていきたいと思っている。

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⚽ 6月26日(金)午前8時、スウェーデン戦
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決勝トーナメント進出がかかる試合が、もう4日後にやってくる。

本田さんはまた「さん付け」で解説するだろう。
そしてその裏に、明治から続く何かへの静かな問いが込められている。

「上田さん、打ってくれ——」

その一言の重さが、少し変わって聞こえる気がする。

なんか、いいな。

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日本代表 #本田圭佑 #W杯2026 #さん付け #整備士の気づき