女子選手のユニフォーム
女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)をはじめ、近年世界の女子サッカー界で「白いパンツ(ショーツ)」を採用しない、または廃止する動きが急速に進んでいる背景には、女性アスリート特有のデリケートな問題への配慮と安全対策があります。
主な理由は以下の3点です。
1. 生理中の経血漏れに対する不安の軽減
最も大きな理由は、「生理中の経血が漏れて目立ってしまうのではないか」という選手たちの精神的な不安を解消するためです。
サッカーのルール上、ユニフォームのパンツの下に履くスパッツ(インナー)はパンツと同色でなければならないという規定があります。そのため、白いパンツの時は白いスパッツしか履けず、経血の透けや漏れに対する恐怖が選手に強いストレスを与えていました。紺や黒などの濃色に変更することで、選手がプレーに100%集中できる環境を整えています。
2. 汗や雨による「下着の透け」の防止
近年のユニフォームは軽量化や吸汗速乾性を高めるために生地が薄くなっており、汗をかいたり雨に濡れたりすると、白いパンツは下着が非常に透けやすくなります。これに対する選手たちの「恥ずかしい」「怯えながらプレーしている」といった声を受け、メーカーや協会が改善に動きました。
3. 赤外線カメラなどによる悪質な「盗撮」への対策
スポーツ界全体で問題となっている、アスリートを性的な目線で撮影する「性的ハラスメント目的の盗撮」から選手を守るためでもあります。特に白などの薄い色は赤外線カメラなどで狙われやすいため、防犯・選手保護の観点から濃色のパンツが推奨されるようになっています。
世界的なトレンドと現在の状況
この動きは2023年の女子ワールドカップ前後から世界中で一気に加速しました。
- 海外の動向: イングランド女子代表(ライオネス)やフランス女子代表、アメリカのプロリーグ(NWSL)の各チームなどが、相次いで白パンツを廃止し、ネイビーやブルーなどの濃色へと変更しました。
- 日本(なでしこジャパン)の対応: なでしこジャパンもこうした世界的な潮流や選手たちのメンタル面を考慮し、現在は1st(ホーム)、2nd(アウェイ)ともに白パンツを避け、シャツのデザインに合わせた濃色のパンツを組み合わせるなど、柔軟なカラーコーディネートが定着しています。Jリーグの女子版である「WEリーグ」でも、オフィシャルパートナー企業などと連携して白ユニフォームの見直しや透け防止対策が積極的に進められています。
