節度

葬儀会場での不謹慎な出来事に遭遇したことはありますか?

高校生の頃、夜に近所の葬儀場周りに今まで見たことのないような人だかりがありました。道路を挟んで向かいが本屋の駐車場だったのですが、そこにも今までにないくらい車が密集し、人でごった返していました。全員、カメラなどの機材や録音器具などプロ仕様のものを持っていたので、これがメディアの取材なのだと世間知らずな私でもすぐにわかりました。ちょうど葬儀?通夜?が終わったところらしく、葬儀場の中から人が出てきました。集まっていた人だかりは一斉にカメラを向けて、途切れなく焚かれるフラッシュのせいで夜なのに昼間のように明るかったのを覚えています。故人に一番近かったであろう女性が中から出てきたとき、みんなが大声で呼びかけて、サッとマイクを向けていました。大事な人を亡くしたばかりの人だと想像はつくのに、全員が「そんな悲しみに浸るのは後にしてお声をください」みたいな態度でした。あとでわかったのですが、数日前に数キロ離れた公園で子供が殺害される事件があり、その女性は子供の母親でした。あと、蛇足ではありますが、事件の捜査はその後新展開を迎え、他でもないその母親が子供を殺害した犯人だと判明しました。振り返ればいろいろと印象深かった事件でしたが、仮に事件の犯人が第三者だったとして、我が子を殺害された母親が葬儀の夜にあんな晒し者にされてしまったら、立ち直るのに更に時間がかかるだろうなあと思いました。また、今回は事件の犯人は実の母親でしたが、葬儀場から「両親で」出てきたのではなく「母親一人で」出てきたことを考えると、複雑な家族の事情を一人で背負い込んで、抱えきれなくなった上で我が子に手をかけてしまった悲しい事件だったのかもしれません。罪悪感と悲しみで押しつぶされそうな状態だったかもしれません。それを考えると、確かに法律の上では悪人ですが、だからと言ってあんな晒し者にされてしまうのは間違いだと思います。今でも、心を揺さぶるような事件や死があった際には、マスコミたちはフル装備で葬儀場に向かいます。ただ、その画って必要でしょうか?葬儀場での写真なんて、新聞やテレビで見かけてもみんなすぐに忘れてしまいますが、不作法な態度の集合体に無神経に傷つけられた遺族はどうでしょうか。もっと品格持って取材してほしいです。