SWIFTを止めるとどうなるか

国際政治や軍事は全く専門外なので、わかる範囲でメモします。

どこか間違ってるかもしれませんが、その場合教えてください。修正します。

SWIFTを止められれば国際送金が全面停止になる。

SWIFTなしで国際送金をしようとすれば、

・メールやFAXでSWIFTの電文と同じ内容の情報を送る(相手が受けてくれる場合限定)
・SWIFT以外のローカルな決済機関を通す
・中継銀行を経由しない送金はできるはずなので、ロシア国内の銀行が送金先(送金元)の国に営業可能な現地法人を持っており、さらに、取引に必要な口座が両法人に開設されていて、かつ、現地法人が取引用の外貨を十分保有していれば、単に同一銀行グループ内の資金移動として取り扱うことができる

のいずれかだと思います。

これらはとても大変かつリスクを伴います。

そして事実上、ロシア国内の輸出企業は売上入金がなくなり、輸入企業は支払いができなくなって取引停止になるのでキャッシュフローが止まります。

金融資産を移動できなければ海外支社の清算もできない。(丸損になる。)

ロシアの銀行は、これらの企業に対する貸倒引当金繰入、国債価格下落、国際送金手数料の減によりB/Sが毀損し、輸出・輸入企業以外への融資もどんどん制限されます。

さて、金融決済を奪われたロシア、ウクライナの首都キエフを仮に占領できたとしてそのあとどうするつもりだろうか。

以上

追記

国際銀行間の送金・決済システムであるSWIFTの機能やその重要性のまとめ。

<SWIFTとは>

「Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication」の略で、国境を越えた迅速な決済を可能にし、国際貿易を円滑に行うためのシステム。このシステムに接続する銀行は、SWIFTメッセージを利用して支払いを行える。同メッセージは安全で大量の取引を迅速に処理できる。

SWIFTは国際貿易における資金送金の標準的な手段となっており、2020年の年次報告によると、SWIFTプラットフォーム上では、毎日約3800万件の送金メッセージがやり取りされた。年間では何兆ドルもの資金が同システムで送金されている。

<SWIFTの管理者>

1970年代に設立されたSWIFTは、サービスを利用する数千の加盟機関の協同組合。本部はベルギーにあり、20年に3600万ユーロの利益を計上した。

<SWIFT排除が深刻な理由>

ロシアの銀行がSWIFTから排除されると、同国は世界中の金融市場へのアクセスが制限される。ロシアの企業や個人は、輸入品の支払いや輸出品の受け取り、海外での借り入れや投資が難しくなる。

ただ、電話やメッセージングアプリ、電子メールなど、他の決済チャネルは利用できる。その場合、制裁を科していない国の銀行を経由して支払いを行うことになるが、代替手段は効率性や安全性が低い可能性が高く、取引量の減少やコスト上昇の可能性がある。

<ロシア以外の国への影響>

輸出企業にとっては、ロシアへの商品販売のリスクとコストが増加する。ロシアは製造業製品の大口購入国で、世界銀行のデータによると、オランダとドイツはロシアにとって2番目と3番目の貿易相手国。

ロシア製品の買い手もより困難に直面し、代替サプライヤーの模索を迫られる。

ただ、ロシア産の石油とガスについては、代替供給国を見つけることが難しいとみられる。欧州委員会によると、ロシアはEUにとって原油、天然ガスなどの主要な供給国。

<SWIFTと経済制裁>

SWIFTはベルギーと欧州連合の規則に拘束される。

EUは12年3月、イラン核開発計画を巡り制裁対象になったイランの企業や個人へのサービスをSWIFTに禁じた。対象には中央銀行や大手銀行も含まれた。

今回のロシアへの措置は、これをはるかに上回る影響がある措置と考えられる。

以上