頭がいい人は苦労するか

圧倒的に頭がいい、もしくはそういう友人がいる方に質問です。頭がいい人は人生を楽々に過ごしているのでしょうか?逆に苦労する生活を送っているのでしょうか?苦労してる場合、それは何故でしょうか?

京都大学を現役ストレートで合格しましたが、人生楽々ではありません。苦労しています。京都大学卒、東京大学卒の人を何人も知っていますが、結構努力家です。また「あきらめずに、やり続けるクセ」のようなものが身についている人も多い気がします。
そうすると、他の人が諦めて「もう無理。ダメ。オレもう帰るわ」と仕事が終わっていなくても、切り上げて帰るところを「頼まれた仕事を未完成のままで帰るのは居心地が非常に悪い」と感じやすい、というタイプの人が多いです。
そういう人は、ついつい残って仕事をしてしまうのです。「その日の仕事の量、働く時間」で見ると、どっちが楽な生き方だとあなたは感じますか?
私は「仕事のキリが悪いと帰りづらい」というタイプなので、仕事をしている量がそもそも多いと感じます。
そういうのって、「楽をしている」ように見えてしまうんでしょうか?また「パソコンの調子が悪い」、「Excelが思ったとおりに動かない」、「前任者からExcelマクロを引き継いだけど、私はマクロがわからない」など困りごとを相談されることが多々あります。
困っている人がいたら助けてあげたいので、よく相談に乗ります。この手の困りごとの解決は得意ですし、解決率も高いのでよく相談を受けるのです。
私自身の業務とは直接関係がなくても、相談されたら基本的には対応しています。一方で、そういう知識を持ち合わせていない人は、そのような相談をされることがないため、自分の担当業務だけをやればよいので、時間効率から言えば「相談されない人たち」の方が仕事の効率が良いように見えてしまいます。「上司から指示された仕事だけをやっている人」と、「上司から指示された仕事に加えて、それとは全く関係のない仲間の仕事の相談にも乗って解決している人」とでは、どちらが楽をしているでしょうか?■
例えばですが、財務省や文部科学省、厚生労働省などの国の象徴に勤務している国家公務員の中には、東大卒のエリートの方々がたくさんおられます。しかし全く楽な仕事ではありません。たいへん苦労されています。
何が苦労されているのかと言うと、仕事の量が数年前に比べて爆発的に増えているのですが、官僚の数がほとんど増えていないのです。どんな仕事が増えているかと言うと・・・不登校の子どもが増えてきている。対策しなければならないが、原因は非常に複雑で対応が簡単ではない。SNSを使ったいじめの問題への対策。小中学校の教員の負荷が非常に高くなっており、メンタルで休職する教員が増えている問題への対応。少子化の影響で高校や大学の存続が難しくなってきており、統廃合をする必要があるが、具体的にどのように統廃合するのがよいか。ずさんな統廃合をすると、高校や大学に通うために1時間以上もかかってしまう生徒や学生がどんどん増えることにもなりかねない。少子化の影響で、教職員も足りない、警察官も足りない、自衛官も足りない、バスやトラックの運転手も足りない、全国の中小企業が新入社員が確保できなくて廃業に追い込まれるケースが増えているが、それぞれに対応する必要がある。医師が足りない。「医師の総数」は少なくはないが、外科医や産婦人科医、あるいは総合病院の勤務医など必要な地域、必要な診療科に対して医師の数が不足しているが、どう対策するのか?少子化そのものに対して対策を検討する必要があるが、世界中の先進国でも有効な対策が打てていない。生成AIが急激な進歩を遂げているが、これに伴った法律の整備が進んでいない。今後の自動運転自動車の実用化に向けて、事故が発生した場合に誰が責任を取るべきなのか、保険制度はどうするべきか、法律の整備を急ぐ必要がある。日本のエネルギーはどうするのか、原子力発電は廃止するべきなのか、自然エネルギー発電の普及を促進する補助金や制度設計が必要ではないのか。ガソリン自動車はなくすべきか、電気自動車への充電設備の普及を国が推進するべきなのかどうか。世界各国では、国内の特定の産業に対して政府が強力に支援している例が少なくないが、日本政府としてどのような産業を支援するべきなのか。全国で米を生産している農家の数がこれから急激に減少する可能性が高いが、コメ農家の支援をどうするべきか、企業が米作りすることを許可するべきなのかどうか。夫婦別姓を認めるとする場合に、子どもの姓などを含めてどのように制度設計すればよいか。同性婚を認めるべきか、認める場合の制度設計をする必要がある。教科書のデジタル化を一旦は推進したが、デジタル化したことに対する問題も出てきている。小学校低学年では紙の教科書のほうが成績が良くなるという研究結果もあるが、今後どうするべきか。今のままでは国の年金制度は破綻するが、どう制度設計すればよいか。マイナンバーカードを作ったものの、まだ「マイナンバーカードの導入によって得られた効果」が「マイナンバーを発行するために投資した国の予算」を上回っていない。導入の効果を引き出すための政策がなかなか進んでいない。これらはごく一部に過ぎません。昔に比べると、ものすごく「やるべきこと」が増えているのですが、国の予算もそう簡単に増やすわけには生きませんので、官僚の数も増やせないというのが実情です。
人は増やせませんが、仕事はすごく増えてしまっているのです。企業であれば、「もうこの事業は撤退します」という選択もありますが、「国としてやるべきこと」は、そう簡単に「やめましょう」とは言えません。
ですので、東大卒のエリート官僚の皆さんは、毎日夜遅くまで働いています。
まったく楽な仕事ではありません。・・・とNHKでも放送していました。