国際ロータリー会長を日本人から出す方法

国際ロータリーは、1905年にアメリカ・シカゴで創設された世界的奉仕団体である。創設者は弁護士のポール・ハリスであり、異なる職業人が友情を深めながら社会奉仕を行うことを目的として始まった。当初は会員の事務所を持ち回りで訪問していたため、「回転する」を意味する“Rotary”の名が付いた。

その後、ロータリーは急速に世界へ広がった。現在では200以上の国と地域にクラブが存在し、会員数は約120万人に達している。地域ごとに「地区」と呼ばれる単位で組織され、日本国内にも30以上の地区が設置されている。日本で最初のクラブは1920年創立の東京ロータリークラブであり、日本のロータリーは100年以上の歴史を持つ。

ロータリーの特徴は、単なる慈善団体ではなく、「職業奉仕」の理念を重視している点にある。会員は経営者、医師、弁護士、教育者、技術者など多様な職業人で構成され、自らの職業倫理を社会に生かすことが求められる。また、「超我の奉仕(Service Above Self)」を標語として掲げ、利益や立場を超えて社会に尽くす精神を重視している。

世界的事業として特に有名なのが、ポリオ根絶運動である。ロータリーは1980年代から世界規模でワクチン支援を続け、世界保健機関やユニセフなどと連携しながら感染根絶に大きく貢献してきた。この活動は国際社会から高く評価されている。

現在のロータリーは、平和構築、教育支援、環境保全、地域医療、水資源支援など幅広い分野で活動している。地域の小さな奉仕活動から世界規模の人道支援までを結び付ける点に、国際ロータリーの大きな特徴がある。

日本人のこれまでの国際ロータリー会長(RI会長)は3人である。

1 東ヶ崎潔
1968-69年度
東京ロータリークラブ
テーマ「参加し敢行しよう!」 (ロータリーボイス)

2 向笠廣次
1982-83年度
中津ロータリークラブ
テーマ「人類はひとつ-世界中に友情の橋をかけよう」 (ロータリーボイス)

3 田中作次
2012-13年度
八潮ロータリークラブ
テーマ「奉仕を通じて平和を」 (rotary-no-tomo.jp)

したがって、日本から出たRI会長は、東ヶ崎潔、向笠廣次、田中作次の3名である。

現状、日本から4人目の国際ロータリー会長(RI会長)を出すことは、以前より難度が上がっている。

理由は主に3つある。

1 ゾーン再編による影響
RI理事・会長候補の供給源となるゾーン配分が見直され、日本の影響力は相対的に縮小した。以前は日本単独で強い発言力を持てたが、現在はアジア太平洋地域との調整色が強い。

2 国際的人脈の必要性
RI会長は単なる国内名士では足りない。RI理事、財団管理委員、国際委員会、規定審議会などを通じた長期の国際的人脈形成がほぼ不可欠である。英語運用能力も実務レベルで要求される。

3 「理念を語れる人物」が求められる
近年のRIは、DEI、公共イメージ、会員基盤、多様性、平和構築などを重視している。単なるクラブ運営型ではなく、「世界のロータリーをどう変えるか」を語れる人物が求められる。

もっとも、日本ロータリーは会員数・寄付実績・歴史の面で依然として大きな存在感を持つ。特にロータリー財団への寄付額やポリオ根絶支援では高い評価がある。そのため、戦略的に人材育成を行えば、将来的に4人目が出る可能性は十分ある。

必要なのは、

・若い段階から国際委員会経験を積む
・英語で理念発信できる
・地区を超えた国内支持を得る
・アジア諸国との連携を持つ
・RI理事経験を経る

という長期育成である。