佐賀駅前物件

博多まで最短約40分のJR佐賀駅前、住宅高騰の福岡市から熱視線 「マンション2000万円安く買えた」

7/12(日) 14:00配信

 JR博多駅まで約40分なのに、3LDKのマンション価格は4千万円を下回る-。福岡市の住宅価格高騰が続く中、「コスパ最高」と消費者の熱い視線がJR佐賀駅前エリアに注がれている。その勢いは地価にも表れ、2026年の路線価では全国の県庁所在地でトップの上昇率を記録。例年、民間の「都道府県魅力度ランキング」調査で下位に甘んじる佐賀県に、福岡都市圏から地価上昇の波が押し寄せる。(池上あかり、黒田加那、下村ゆかり) ■地価上昇率が全国トップとなったJR佐賀駅前中央通り周辺【写真】  「通勤時間は15分延びたけど、福岡都市圏のマンションより2千万円は安く買えた。部屋も広い」

路線価の上昇率が全国の県庁所在地でトップとなったJR佐賀駅の周辺=6月30日、佐賀市

 博多駅近くの大手通信会社で働く女性(41)は昨年、双子の出産を機に佐賀市内に約4500万円の一戸建て住宅を購入した。「1時間弱で通勤でき、福岡市より保育園や学童保育にも入りやすい」と満足げだ。  博多まで特急で約40分の佐賀駅。1日平均乗車人員は1万2285人(24年度)と、福岡市中心部のJR竹下駅や箱崎駅を上回る。移住者や移住検討者からは「東京近郊から新宿へ行くのと同じ」「実質的には福岡市民の感覚」(30代女性会社員)との声もある。

 福岡市近郊は既に多くの人が流入。福岡市の女性会社員(36)は「福岡市からの『脱出組』で保育園に入りにくい地域があると聞く。子育て環境が整う佐賀で住居費を抑えられたら、その分を教育費に充てられる」と期待を寄せる。 ■    ■  こうした住宅需要の高まりを背景に、佐賀県内の地価上昇も勢いを増す。1日発表の路線価では、JR佐賀駅近くの「駅前中央通り」の上昇率は前年比17・0%で、全国の県庁所在地でトップ。佐賀県全体も4・5%と全国4位で、福岡県の4・2%を上回った。

 不動産経済研究所によると、25年の新築分譲マンション平均価格は福岡市が5305万円だったのに対し、佐賀市は4423万円。一方で、伸び幅は16年比で佐賀市が1・7倍と福岡市の1・45倍を超えた。  不動産鑑定士の後藤修氏は「佐賀駅周辺は開発用地の供給が少なく、マンション用地の需要が高まっている」と指摘する。中央資本の開発も進み、商業分野では23年のSAGAアリーナ開業でスポーツ大会やコンサートなど年間40万人以上を集客。ホテル事業者による用地取得も相次ぐ。

 ただ、今後の地価上昇には慎重な見方も。後藤氏は「価格が一定水準を超えれば、需要は離れていく」とみる。既に、福岡市中心部では勢いに陰りが出ている。九州の地方銀行幹部は「住宅価格の高騰と金利の上昇で、購入者も慎重になっている」と指摘する。その上で、「50年ローンなどの選択肢も広がっているが、先行き不透明な中では、ローンの利用者も慎重にならざるを得ない」と話す。