自家焙煎珈琲事業
自家焙煎コーヒー事業は、粗利率の高さ(70〜85%前後)とリピート購買(日常消費財としての継続性)という優れた収益構造を持っており、ビジネスモデルの設計次第で十分に事業として成立します。
ただし、店舗での「1杯売り(カフェ営業)」のみに依存すると、客席回転率の限界や家賃・人件費といった固定費に圧迫されやすいため、「焙煎豆の物販(店頭・EC)」「法人・飲食店への卸売(BtoB)」「テイクアウト等の高回転モデル」を組み合わせることが収益化の鍵となります。
- 自家焙煎事業の原価構造(ユニットエコノミクス)
自家焙煎の最大の強みは、生豆を仕入れて自ら加工することで中間マージンを排除し、高い限界利益率を確保できる点にあります。計算上押さえておくべき最重要ポイントは「焙煎による目減り(歩留まり)」です。
生豆の仕入れ原価:1kgあたり約1,200円〜3,000円(コモディティ〜スペシャルティグレード)。
焙煎による重量減少(約15〜20%減):焙煎過程で水分が蒸発し、薄皮(チャフ)が除去されるため、生豆1kgを焙煎すると仕上がり重量は約800g〜850gに減少します。
100gあたりの実質原価(試算例):
生豆仕入れ値:2,000円/kg(歩留まり80%と仮定 → 焙煎豆1kgあたりの豆原価は2,500円=250円/100g)
副資材・光熱費(アロマブレスパック等の袋代、ラベル、ガス・電気代):約35〜50円/100g
合計変動費:約285〜300円/100g
販売単価と粗利率:
豆の小売(100gあたり850円〜1,200円):粗利率は約65〜75%。
卸売(100gあたり500円〜650円):粗利率は約45〜55%に下がりますが、1回あたりの発注ロットが大きく(数kg単位)、安定したベース売上になります。
ドリンク提供(1杯500円〜650円):1杯あたりの豆使用量は12g〜15g(豆原価30〜45円程度)のため、カップ代を含めても粗利率は85%以上に達します。
