トリアス久山
福岡リート投資法人は2026年10月20日、福岡県糟屋郡久山町の大型商業施設「トリアス」を取得対象とする特別目的会社(SPC)「合同会社FRC3」への匿名組合出資を発表しました。
今回は福岡リートによる直接取得ではなく、まずはSPCへの約3分の1の匿名組合出資を通じて配当収益を取り込みつつ、将来的な本物件(信託受益権)取得に向けた優先交渉権を確保するブリッジ・バリューアップ型のスキームが採られています。
1. スキームおよび投資概要
SPC(合同会社FRC3)がトリアスの信託受益権を104億円で取得し、福岡リートはその匿名組合出資総額の約33.3%にあたる13億5,600万円を出資します。 項目内容 対象物件トリアス(福岡県糟屋郡久山町大字山田1111) 営業者(SPC)合同会社FRC3 SPCの取得予定価格104億円(鑑定評価額:123億8,000万円 ※2026年7月末時点) SPCの総資産(予定)126億5,600万円(取得諸経費・リザーブ金・消費税等を含む) SPCの資金調達内訳・ノンリコースローン:85億8,800万円 ・匿名組合出資等総額:40億6,800万円 福岡リートの出資額13億5,600万円(出資割合:約33.3%) スケジュール・2026年10月23日:匿名組合契約締結(予定) ・2026年12月14日:福岡リートによる出資実行 ・2026年12月16日:SPCによる信託受益権取得 匿名組合契約期間2033年12月31日まで 付与される権利トリアス信託受益権の購入に関する優先交渉権(購入義務なし)
2. 対象物件「トリアス」の現状と評価ポイント
- 施設規模と稼働状況 敷地面積は約72,035坪(約25万㎡、うち借地権等約70,169坪)、延床面積は約24,326坪。日本1号店である「コストコ久山倉庫店」や「ユナイテッド・シネマ」を核テナントとし、エンドテナント数は102店舗、稼働率は96.3%(2026年8月末時点)と高水準を維持しています。マスターリースおよびPM業務は株式会社トリアスマネジメントが担う予定です。
- 変動賃料によるアップサイド(約35%) 賃料全体の約35%を変動賃料が占めており、インフレ環境下における売上増加を賃料収入へ反映しやすい収益構造が高く評価されています。
- 広大な敷地を活かしたバリューアップ余地 九州自動車道「福岡IC」から約5kmの広域集客立地と約7.2万坪の敷地を活かし、SPC保有期間中にテナントの入れ替えや敷地活用の見直しを含めたバリューアップを進め、将来的な福岡リート本体への組み入れを視野に入れています。
- 鑑定評価に対する割安感 鑑定評価額123.8億円に対し、SPCの取得価格は104億円(鑑定評価額比で約16%ディスカウント)と、キャップレート・価格面でも優位性のある水準での取得となっています。
3. 同時発表された資産入替(計76億円規模)
今回の出資は、第44期(2026年8月期)決算発表に合わせたポートフォリオ再編の一環として位置づけられており、以下の取得・譲渡が同時に発表されています。
- 【取得】ロジシティ古賀(準共有持分50%)
- 取得価格:47億円(鑑定評価額:53億5,000万円、鑑定NOI利回り約5.4%)
- 取得先:FJプライベートリート投資法人
- 取得予定日:2026年12月28日(2023年3月竣工、稼働率100%)
- 【譲渡】熊本イーストフロントビル
- 譲渡価格:15億900万円(帳簿価額:14億9,500万円、2023年3月に14.5億円で取得)
- 譲渡予定日:2026年11月30日(築年数がポートフォリオ内で2番目に古く、成長余地を勘案し売却)
この一連の資産入替により、福岡リートの資産規模(取得価格ベース)は約2,308億円から約2,340億円へ拡大し、ポートフォリオ全体の平均築年数も20年11カ月から20年6カ月へと若返る見通しです。
SPC期間中の具体的なバリューアップ方針や、資金調達・利回り面の詳細についてさらに掘り下げたい箇所はありますか?
