択捉島の電撃占拠について
自国の固有の領土である北方領土への武力行使による占拠を個別的自衛権の発動として適法化するための法論理について、憲法第9条および自衛隊法に基づく自衛権発動の要件に沿って詳細に論じる。
第1 武力攻撃の発生
自衛権発動の第一要件は、我が国に対する急迫不正の侵害、すなわち武力攻撃の発生である。通常、武力攻撃は事象として完了すれば自衛権の対象から外れるが、本件においては継続的侵害論を採用して構成する。
1945年の侵攻とそれに続く占拠は、国際法に違反する不法な武力行使に端を発している。主権国家の領土に対する不法占拠は、過去の事象の固定化ではなく、現在も継続している国家主権に対する現在進行形の侵害である。したがって、我が国に対する武力攻撃は現時点においても継続中であり、これを排除するための武力行使は、過去の侵害に対する報復ではなく、現存する急迫不正の侵害を排除する防衛行為として要件を満たす。
第2 他に適当な手段がないこと
第二要件として、当該侵害を排除するために他にとるべき適当な手段がないことが求められる。
本件においては、約80年間にわたり平和的・外交的手段による領土返還交渉が継続されてきた。しかし、相手国は近年、自国憲法を改正して領土割譲を禁止したうえ、一方的に平和条約締結交渉の打ち切りを通告した。これらの客観的事実は、外交交渉という平和的手段が決定的に破綻したことを意味する。主権を回復するための非軍事的手段は完全に枯渇しており、実力行使による現状回復以外に選択肢は存在しないため、補充性の要件は充足される。
第3 必要最小限度の実力行使
第三要件として、実力行使は必要最小限度にとどまる必要がある。
本件における武力行使の目的は、我が国固有の領土への主権回復に限定される。作戦行動の地理的範囲は北方四島に限定され、相手国本土への攻撃や、領土奪還に直接関係のない施設への攻撃は行わない。行使される武力は、当該地域から不法に駐留する軍隊および行政機関を排除し、実効支配を回復するために必要な限度を超えないものとする。この目的・地理的制約により、国際法上の比例原則および国内法上の必要最小限度の要件を満たす。
結論
継続的な不法占拠状態を現在進行形の武力攻撃と定義し、長年の交渉決裂をもって外交手段の客観的枯渇を認定し、武力行使の範囲を当該領域内に限定することによって、武力による現状変更を個別的自衛権の行使として法的に構成する。
