てんしのいもうと

作文コンクールの最優秀賞が話題に

朝日学生新聞社では毎年全国の小学生を対象に
「いつもありがとう」というテーマで
作文コンクールを主催しているそうです。

今回最優秀賞を受賞したのは新潟県在住の
小学1年生の松橋一太くん。

彼が書いた作文が素敵な内容と注目を集めいています。

松橋くんが書いた作文のタイトルは

「てんしのいもうと」

今回の作文コンクールは
全国各地から応募総数3万9938点が集まりました。

その中から最優秀賞、シナネン賞、ミライフ賞、
朝日小学生新聞賞の特選4点並びに、優秀賞6点、
入選14点、佳作20点、団体賞9校を決定するそうです。

「てんしのいもうと」全文

「ぼくには、てんしのいもうとがいます。

よなか、ぼくは、おとうさんとびょういんの

まちあいしつにすわっていました。となりにいるおとうさんは、

すこしこわいかおをしています。いつも人でいっぱいのびょういんは、

よなかになるとこんなにしずかなんだなあとおもいました。

すこしたってから、めのまえのドアがあいて、くるまいすにのった

おかあさんとかんごしさんがでてきました。

ぼくがくるまいすをおすと、おかあさんはかなしそうに、

はをくいしばったかおをして、ぼくのてをぎゅっとにぎりました。

いえにつくころ、おそらはすこしあかるくなっていました。

ぼくは一人っこなので、いもうとがうまれてくることがとてもたのしみでした。

おかあさんのおなかにいもうとがきたときいてから、まいにち、ぬいぐるみで

おむつがえのれんしゅうをしたり、いもうとのなまえを

かんがえたりしてすごしました。

ごはんをたべたり、おしゃべりしたりわらったり、こうえんであそんだり、

テレビをみたり、いままで三人でしていたことを、これからは四人で

するんだなあとおもっていました。

でも、はるやすみのおわり、トイレでぐったりしながらないている

おかあさんをみて、これからも三人なのかもしれないとおもいました。

さみしくて、かなしかったけど、それをいったらおとうさんとおかあさんが

こまるとおもっていえませんでした。

ぽかぽかのあたたかいひ、ぼくたちは、ぜんこうじさんへいきました。

いもうととバイバイするためです。はじめて四人でおでかけをしました。

ぼくは、いもうとがてんごくであそべるように、

おりがみでおもちゃをつくりました。

「また、おかあさんのおなかにきてね。こんどはうまれてきて、

いっしょにいろんなことしようね。」

と、てがみをかきました。

ぼくは、てをあわせながら、ぼくのあたりまえのまいにちは、

ありがとうのまいにちなんだとおもいました。

おとうさんとおかあさんがいることも、わらうことも、

たべることやはなすことも、ぜんぶありがとうなんだとおもいました。

それをおしえてくれたのは、いもうとです。

ぼくのいもうと、ありがとう。

おとうさん、おかあさん、ありがとう。

いきていること、ありがとう。

ぼくには、てんしのいもうとがいます。

だいじなだいじないもうとがいます。

気持ちの整理がつかない状態でも周りへの気遣いを忘れない。

「当たり前の幸せはこの世のに何1つない。」

そんな力強いメッセージに勇気をもらえる作文です。