ルロイ修道士は言われた「困難は分割せよ」(井上ひさし)

ルロイの言葉を思い出してください

おはようございます。
2017年8月、筆者は塾長ブログと題して売れないブログを書いております。それでも、数少ない読者のみなさまにおかれましては、いつもこのブログを読んでいただきまして本当にありがとうございます。
最近、公私ともに忙しく、ブログの更新ができない場合もありますが、その時は焦らずに、「困難は分割せよ」というルロイ修道士の言葉を唱えるようにしております。
ルロイ修道士は、福岡県福岡市や北九州市の中学校3年生の検定教科書に載っている井上ひさし原作の「握手」という短編に出てくる孤児院の男の修道士の先生です。
ルロイ先生が、ふらりと孤児院の卒業生である著者(井上ひさし先生)のところを訪ねてきます。
そうして食事をしながら少し話をするのですが、改めて、ルロイ先生は「仕事がうまく行かないときは、このことばを思い出してください。『困難は分割せよ』。焦ってはなりません。問題を細かく割って一つ一つ地道に片付けていくのです。ルロイのこのことばを忘れないでください。」とおっしゃいます。
そうしてルロイ先生は握手をして去っていくのですが、その仕草や話し振りから、ルロイ先生が自分(井上ひさし)を含むこの世から暇乞いをするために卒業生に会って回っているのだいうことを別れ際に悟るのです。
「先生は、どこへ行かれるのですか。」
ルロイ先生は、戦時中外国人の修道士ということだけで、いろいろと日本の体制側に、特に軍部にいじめられ、本国に帰ることもせず戦後も日本にとどまり孤児の世話をするという社会的意義の高いことをずっと続けてこられて、そうして日本でそのまま亡くなっていこうとしているのです。
「こんど故郷(くに)に帰ることになりました。カナダの本部修道院で畑いじりでもしてのんびり暮らしましょう。さよならを云うために、こうしてみなさんに会って回っているんですよ。」
という挨拶は半分本当で、半分嘘です。
とても哀しいシーンです。

天国は賑やかで楽しい所らしい

しかし、ルロイ先生は死ぬというのが怖くないですかという著者(井上ひさし先生)の言葉に対して、
「天国へ行くのですからそう怖くはありませんよ。あると信じる方がたのしいでしょうが。死ねばなにもないただむやみに淋しい所へ行くと思うよりも、にぎやかな天国に行くと思う方がよほどたのしい。そのためにこの何十年間、神さまを信じてきたのです。」
とおっしゃるのです。
にぎやかだと信じた方がたのしい。
ルロイ修道士、すごい人物です。
中3に読ませるには惜しいと思うくらいです。
正直、若い子供にはわからない境地なんじゃないでしょうか。
でも、いい歳をして振り返って大切なことですから
だからこうやって教科書に載っているわけです
教育には、意味があります
勉強でも仕事でも全く同じことです。
一度に数学と英語はできないし、二つの仕事を完全に同時並行で進めることもできません。

問題や課題は細かく割って、ひとつひとつ地道に、ちょっとずつ片付けていけばいいのです。
さて、井上ひさし先生もなくなりました。賑やかなところと言えば外壁工事をしている割に客層が絶えない地元の飲み屋なんかばかりを思い起こしてしまう不信心な筆者からは以上です。
(平成29年8月13日 日曜日)

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