人は割と簡単に変わる

自学型学習塾における教え合いの風景

学習者が自ら主体的に「自学」する環境を周りが整えることができれば人はわりと簡単に変わる

おはようございます。

2020年1月の、自学する環境を整えることができれば人はわりと簡単に(もちろん良い方に)変わるという話をします。

長崎県の離島、壱岐の島に自学型学習塾を開業して、数ヶ月が経過しました。

なかなか、素晴らしい成果を上げています。

実は、この自学型学習の仕組み(壱岐武原塾/コラボプラネット)は、世界のトップを走るシリコンバレーなどのエドテックベンチャー(教育産業×IT)のビジネスモデルに匹敵する最先端のビジネスモデルなのです。

そのコンセプトは、ITをフル活用した自学自習と教え合いを中心にして、校舎にはお金はかけずに、教師はコーチに徹して最小限の人数で運営すること、となり、これが世界の最先端であり生徒がもっとも求めている自学環境ということになります。

42というまさに同じようなエンジニア教育機関があります。

42 Tokyo
コンセプト | 42 Tokyo パリ発のエンジニア養成機関
42 Tokyoは「挑戦したいすべての人に質の高い教育を」を理念に、学費完全無料、24時間利用可能な施設、問題解決型学習など誰もが挑戦できる環境を用意しています。

42Tokyo

https://42tokyo.jp/concept/

このビジネスモデルを、小中学生を相手に、限界集落と離島で、お寺や公民館や自宅などの空きスペースに高速インターネットとWi-Fiを用意して、地域社会の知識層が兼業でコーチしながら、スタディサプリのようなタブレット型ネット教材をノートPCやiPadを使って自学自習や教え合いで学ばせるというビジネスモデルが、コラボプラネット/壱岐武原塾型の自学学習塾になります。

これが、世界の最先端教育システムです。

これまで、ずっと子どもの教育に関わってきましたが、どうしてもなかなかお金にならず、どうしたものかと迷っていたところ、コラボプラネットの西原社長がやっている学習塾ブランチの取組みと理念に共感し、是非壱岐島でもやってみようと思ったわけです。

2か月後に体験、3か月で創業しました。準備の途中でしたが、不登校の生徒がすぐにでも学びたいと体験に来てくれたのも大きかったです。

まさに、最初に入塾した不登校の生徒が新入塾の小学生にタブレット端末の使い方も教えてくれていましたのを見て、教え合いと自己目標設定による自学が最適だと確信しました。

この中学生は、2020年4月から福岡市内で高校生になりますが、福岡のコラボプラネット/学習塾ブランチで学び続けたいと考えています。

西原さんのコラボプラネットの講座を壱岐島でやるときには、お手伝いに壱岐帰りたいとまで言ってくれています。

重要なのは、通常の塾の先生のように、「講座」で生徒を縛らないことです。

自主教材を準備はしますが、あくまで生徒が自学する環境を整えて、塾の管理人はコーチや世話係に徹することが大切です。

自分の時間の使い方を、生徒自身に決めてもらう、そしてやりたいことが定まったら、もりもり自学できる「環境」を整えた自学型学習塾を運営する、これがオープンなこれからの「塾」のあり方です。

おそらく、この自学自習モデルは、小学生中学生を超えた、高校教育でも通用すると考えています。

エンジニア養成に特化した42みたいに自主教材を作るとなると大変ですが、幸い、世の中にはスタディサプリのようなネット教材がたくさんあるので、それに乗っかって生徒個人個人のコーチに徹すれば、すぐに始められますし長続きします。

中学2年の男子2人は、英語が全く分かっていませんでしたが、3回目に目の色が変わり、1か月後のテストで17点上がり、昨日は初めて日曜日に自習室に来て90分学び、よく分かるようになって楽しいと言って帰りました。

もう1人の中学生も、表情が締まってきています。

このような取り組みで、大型資本や資金を投下しなくても、ネット教材と地元のことがよくわかっているお世話人による場作りを掛け合わせれば、壱岐島の教育における東京との情報格差が、ほぼゼロになります。

自ら学ぶとここまで変わるのかと、名誉塾長の私も驚きです。

ちなみに、42Tokyoの運営をしている東大の松尾豊先生は、東大の大学院の理工系教育に革命を起こした人です。私立の中高一貫の進学校や塾や浪人時代の予備校で詰め込み教育を受けてきた東大生が、大学院での研究であまり使い物にならずに、研究成果が出せずに困り果てた松尾豊先生は、全国の高専を回って、東大の編入試験を受けるように勧め、合格した高専出身者を自分の研究室に集めて、人工知能の研究で世界トップクラスの成果を挙げた天才研究者/教育者です。

そして、松尾豊先生の研究室では、学生には、就職せずに起業することを勧めています。そして、起業した第一号のグノシー は、創業メンバー3人のうち1人は高専からの編入、他の2人は他大学からの編入組ですが、あれよあれよと東証1部に上場してしまいました。

日本の公立中学高校の進路指導は、40年前とあまり変わってませんが、地方の公立高校から入学するのは、ほんの一握りですから、高専からの編入組は貴重で優秀な人材であり、こうした有用な人材の活用と教育システムが、もっと広がることが人口減少に直面する我が国の再興の鍵になります。

学ぶ側からしても、東大や九大などに入りたければ、高専が一番の近道です。高専からの編入、修士課程からの入学、博士課程からの入学と3回もチャンスがあって、しかもだんだんと入りやすくなっていきます。

もし落っこちたも、高専の専攻科や科学技術大学院に進学して、数年後に再チャレンジすれば良いので、浪人の必要もなく学び続けることができます。

以上、いかに自分で課題を見つけて学び続けることが大切か、その可能性について書いてみました。

自分で課題を見つけて自学できる環境を、低コストで全国の離島も田舎にも展開したいと思っています。

ご賛同いただける方、ご興味ある方、是非当方に声をお寄せください。

こちらからは以上です。

(2020年1月27日 月曜日)

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