財務省解体デモ

日本人もさもしくなった

財務省が諸悪の根源と言う論調が生まれつつあるようです。元々国を良くしたいという高邁な志を持った人達のはずが、本当に財務官僚は巷で言われているようなことを考えているのか不思議です。どう思われますか?

うーん、あくまで自分自身の肌感覚ですが、財務官僚を含む日本の官僚のほとんどは「国を良くしたい」と思っています。(そこに「自己犠牲」まで入っているかどうかは個人差があります。)そしてその中でも財務省の仕事は、国の財政を良くすること、もしくは安定的に保つことなので、財政規律(無駄遣いを無くして歳入を増やすこと)を常に意識しています。もともと大蔵省という最強省庁でした。戦前の内務省は解体されましたが、金融庁も含む強大な権限を駆使しておりました。

民間企業に例えると、会社の金庫番(経理部門) のような役割なので、別の広告宣伝部門から「ここにお金を使った方が、会社のリターンが(将来的には)より大きくなるでしょ」と言われても、「本当にそうか?」「でも、もしもの時にお金がなかったらどうするんだ?」と考えて出し渋りをするのが常です。

そういった時に登場するのが経営者(国で言えば政治家)で、収入と支出のバランスやその必要性を様々な視点から判断して、組織(国)の為に最善の判断を下そうとします。

ただ、ここで大きな問題になるのは、その経営者や政治家が下す判断が「どの時間軸をベースにおいているか?」ということです。

上場企業の経営者や(決定権を持つ)政治家の場合も、その任期は(オーナー経営者を除くと)おおよそ数年、長くても10年なので、その期間中に最大の成果が得られるように行動するでしょう。そうしないで(財政出動等をしないで)自分の任期中が不景気であれば、その経営者や政治家は株主や国民から不評を買う事になります。(それでも「国家百年の計」を考えて行動する人も当然いますが)

一方、財務省などは、(組織の存在意義からして)その時間軸がより長いのが常です。政治家は、そのまま放っておくと自分の人気取りの為にバラまきを行うケースもあるので、財務省はそれをメディアや政策レクチャーやその他ありとあらゆる(時には『裏工作』と巷で呼ばれるような)手まで使って止めようとします。一方、財政出動によって恩恵を受ける勢力は、これまたメディアやありとあらゆる手でそれを攻撃します。それが、時には陰謀論的な要素まで含んでネット上で語られることの図式かと思います。

また、積極的な財政出動の議論の中で民間企業と国で大きく違うのは、通貨発行権という「打ち出の小槌」を持っているか否かでしょう。(通貨発行権を持っているのは国ではなく日銀というのは置いておいて)

これ(通貨発行権) がある為に、国は無制限な財政出動が可能だという議論がありますが、多分、国の収支がどのレベルまで悪化すると市場✳︎の餌食になるかは「誰にも分かっていない」のが実情でしょう。

その「分かっていないこと」 に対して、双方の見解の違いで議論していると思えば、ある意味、民主主義が健全に機能している証拠とも言えそうです。まぁ、個人的には「税金はもっと下げれるやろ!」と思ってますけど。

* ここで言う「市場」は、利益だけを求めて自由に国家間を移動するお金の総体を差します。市場の餌食になるとは、例えば、ポンド危機とか昨今の円安とか、日本国債金利がじわじわ上がって、年利2%を超えると年間の国債の利払い額だけで20兆円を軽く超えてしまって減税議論とか瞬間で吹き飛びますよとか、そういった卑近な事例です。

こういう、借金1,000兆円超えの我が国の借金漬けの当たり前の状況を、俺たちの財務省は毎日警鐘鳴らして訴えておるわけですが、選挙民の心に届くことはなかった結果、順調に、返せない借金ばかりが積み上がっておるわけです。外資の禿鷹ファンドでなくても、もう国債は抱えられない、そのような断末魔が聞こえてきますね。

以上