[00024]平家の呪いか

平家の没落

まあ、そもそもスポーツ賭博が厳格に禁止されているカルフォルニア州のドジャースに移籍するということは、かかるリスクを認識しておかなかった選手サイドのミスなんですよね。やはり、会社や組織の総務人事経理部門という「守りの部門」についてはきちんと整備しておかないと、とんだところでリスクを被ることになりそうです。確かに、違法賭博やりすぎた一平さんが一番悪いんですけど、その悪いことした身内の補填を、直接自分の口座から送金しちゃったところが本人(翔平さん)のうかつなところでありました。これで、共謀共同正犯であることの疑惑が一気に高まってしまったわけです。そもそも賭博狂いだったのは一平さんじゃなくて翔平さんだったんじゃないかな、という疑惑が一気に、この噂好きの日本国内では渦巻いていくことになっています。かわいそうなのは、平家両名の奥さんたちですが、それも有名人の伴侶に収まったところの、有名税というやつでしょう。翔平さんとしては、一平さんに借用書の一本でも取って、そして、一平さん口座向けに7億円を送金しておけば良かっただけの話です。贈与税とかの問題もありますし、利息の処理とかもありますが。そうでなくても、もう借用書とかいいから、7億円さっくりと一平さんに手切れ金として差し上げてしまって、そしてバイバイするのがもっとも後腐れない処理の仕方だと思います。筆者でもそうします。そもそも7億円も貸せない、渡せない、用意できないけど。

この点、庶民の生活と比較するのに良い方法として、年収や年俸を1,000分の1にして考えてみましょう。翔平さんは、今年から名門ドジャースに10年総額1,000億円(支払い方法は強烈な97%後払いですが)、で契約していますから、年額100億円の収入があると見られます。これを日本の非正規バイト生やパート主婦に引き直してみますと、ちょうど1,000分の1で年収100万円となります。同じ縮尺で7億円は7万円になりますから、要するに、日本の非正規バイト生活者が、友達が7万円違法賭博でスッてしまった、で怖いお兄さん(暴力団とかヤクザとか、半グレとかの違法団体)に支払わないといけない、どうしよう、というような感じです。ここで、友人として最後の情をかけてあげるならば、7万円をその友人に貸すなり差し上げるなりして、そっちの友人サイドできっちりと金銭トラブルを解消しろと申し渡すはずですよね。まかりまちがっても、本人の口座から、本人名義で、そんな半グレ暴力団、違法団体に7万円送金するなど、足がついて何言われるかわかったものではないからやらないですよね。それと同じ話を、1,000倍の規模で、この両平家はやらかしてしまったわけであります。事案を単純化すると、なんてことはありません。タダのアホ(ら)です。親父が福岡県警小倉南署の警察官(巡査部長)で、暴力団対応班の刑事を長く奉職して工藤會さんを大口顧客にしていた、そんな息子の私ですから、彼らのヤバさは骨身にしみてわかります。ちょいちょい厳しい話をぶっこんですみません。

事案を今一度整理しますと、ドジャース大谷翔平選手の通訳を務めた水原一平氏が違法なスポーツ賭博(スポーツベッティング)に関与し、解雇された問題です。スポーツ賭博などの事情に詳しい国際カジノ研究所長の木曽崇氏が21日、Xで見解を述べています。ドジャースがあるカリフォルニア州は、スポーツ賭博が法律で禁じられている米国内で数少ない州。合衆国において、各州は、その辺の「国」を遥かに上回る実力を持っている国々です。カルフォルニア州はその中でも最強を誇ります。水原氏は複数の違法ブックメーカーへの借金を抱え、大谷の口座から少なくとも450万ドル(約6億7500万円)が送金されたと報じられているわけです。

一平氏は、解雇される前日(19日)に米スポーツ専門チャンネルESPNのインタビューで「彼(翔平)は『二度とこのようなことをしないのなら私を助ける』と言い、返済することを決めてくれた」などと釈明していた。しかしこれを翔平さん側の弁護士が否定。翔平さんの合意がなく送金された窃盗事件であると主張し、翌日には一平氏側も「翔平はギャンブルや借金について何も知らない」「ブックメーカーに対して送金していない」と説明を翻しています。この辺も打ち合わせがうまく行っていませんね。十分に時間はあったはずなのに。大根役者です。プレイに真剣さがありません。ヌルすぎます。

木曽所長は「通訳さんのコメントも二転三転しており、正直申し上げると何が本当なのか現状では分からない」とした上で、MLBが定める「ルール21」が前提にあるのではないか、としています。同ルールはMLBに携わる選手、スタッフら関係者を対象にしたもので日本プロ野球の野球協約にあたり、第21条にスポーツ賭博に関する禁止事項が記されています。「野球に関する賭博が発覚すれば出場停止1年」「自軍チームへの賭博関与は永久追放」「違法賭博への関与はそのジャンルに関係なくペナルティーの対象になり得る」といった内容で、まあ、巨額のカネが飛び交うメジャーの球界では常識です。で、そんなのを「違法と知らなかった」は本当かよ、ということになってしまうわけです。蕎麦屋に入ったと思っていたら違法ぼったくりバーだった、程度の錯誤じゃありません。下手すりゃ100年ぶりのブラックソックス事件です。ジョー!嘘だと言ってよ!!ジョー!!!

一平氏のコメントが変遷していることについて、木曽所長は「あくまで私なりの推論」と断った上でこう述べています。当初説明されていた「大谷選手が通訳のスポーツ賭博の負債の肩代わりをした」という行為が、上記のルールに違反してしまう可能性が出てくるため「おそらく大谷選手の弁護士サイドはこのMLBルールを前提として、当初の通訳者のコメントのままだと大谷選手にリスクが及ぶということで、これは窃盗犯である、大谷選手はこの事実については知らなかったんだという形で声明を発表したのかな、と私は想像している」というものです。たぶん、建前の説明としてはこうしたところなんでしょうが、そもそも翔平さんの(巨額すぎる)野球所得について、当初10年間総額30億円、そんで10年後から970億円後払いとかやられて巨額脱税されたと地団駄踏んでいるカルフォルニア当局が、そんなヌルい言い訳で許してくれるでしょうかね。筆者ならケツの穴の毛までむしり取ろうと思っちゃいますね。

なわけで、一気に奢れるものは久しからず、の平家滅亡の危機に陥っているわけです。一平氏のその後のコメントでは、違法賭博であることを知らなかった、野球には賭けていないということが強調されている点を指摘し「MLBルールを意識してのコメントなんだろうな、と思います」としていますが、時すでに遅しでしょうか。すでに一ノ谷、屋島で敗戦し、壇ノ浦に向けて(態勢を整えるべく)撤退しているところですが、後は美しい散り際を残すのみかもしれません。

見るべきほどのことは見つ

「見るべきほどのことは見つ」。自分の人生で、味わわなければならないものはすべて味わい尽くしたという、突き詰めた心境を表す観念のことばです。「平家物語」に出て来る、平安時代の武将、平知盛(たいらのとももり)の最期の言葉として知られます。一一八五年の壇ノ浦の戦いの際、安徳天皇はじめ平家一門の人々が次々と入水し死んでいくのを見届けた知盛は、「見るべきほどのことは見つ、今は自害せん」と言って、家臣と二人で、自分の身体に錨を巻き付け、そして海の底へと沈んでいきました。

その上で木曽所長は「違法であるかどうか知らなかった、という説明はちょっと無理があるかなと個人的には正直思ってます」としています。一平氏が当初のコメントで、球団内で賭博に関する研修を受けていると語っていた点を指摘し、「(エンゼルス、ドジャースがある)カルフォルニア州の球団の関係者が受ける教育プログラムの中に、カルフォルニア州がいかなる形でもスポーツベッティングが違法ですよ、ということが告知されないわけがないんですよね」「(一平氏が)それを知らなかった、というのは正直無理があるんじゃないのかなというのは私個人としては正直思います」などと容赦なく追い込んでいます。

まあ、こうなってしまうと筆者などが何を言っても始まらないとは思うのですが、とにかく両平家のみなさんにおかれましては、記録に残されている送金の事実を十分認識承知した上で「いま嘘をついて切り抜けても、どうせ後から蒸し返されたときに本当のことが事実として証拠付きで出てしまっては取り返しがつかない。いま最善の誠意で対応するべき」というところでしょう。

カルフォルニア州という、自由と多様性、活性炭付きのクリーンなイメージの国、に、リスク感覚ほぼなしで降り立ってしまった決断がまずかったのかもしれません。日本であれば、1億円を暴力団に送金しても球界の盟主と言われる最大手新聞社球団の監督を続けることができることを見れば、かの国の住みにくさが知れようというものです。古来日本は八百万の神々がいる、多様性に溢れた国であります。奢れるものは久しからず、ただ春の夜の夢の如し(平家物語)。

実は、筆者の母方の実家の姓(かばね)は、「平田」といい、かつては京都の都や今は神戸と言われる大輪田の泊あたりでブイブイ言わせて、厳島神社なんかをおっ立てて調子こいてた一族の端っこのほうに陣取っていたものと思われます。でも、殺しそこねた源氏の総大将が差し向けた、源九郎義経とかいう出っ歯の貧相なすばしこいだけの痩男に追い込められ、最後の拠点の彦島から壇ノ浦に打って出て、そして敗れて落ち延び、北九州市の八幡東区あたりにある「鞘ヶ谷(さやがたに)」といった地を経て大分県宇佐市に至り、そこで中津藩の家老職まで盛り返したという家系です。室町時代に興った、という言い伝えですが、平田という姓からして、言えない出自、すなわち平家にゆかりがある一族であることは間違いないでしょう。そういう意味で、これを書いている筆者自身も、そんな敗れて落ち延びて、そして700年の時を経て今につながる、栄光と挫折と流浪を味わっている一族の末裔なのです。そんなことを思いながら、この記事を書いています。

一旦おわり

追伸

2024/03/23

いくら信頼してても資金移動まで自由にさせるわけないだろうから、窃盗は認められないでしょう。
おそらく翔平さんが立て替えて払ってしまったことがカリフォルニア州法に抵触(違法ブックメーカーへの送金)するとわかり、大谷翔平ブランドを守るために一平が証言をかえて盗んだ事にしたのだろうが、早速齟齬をきたしてバレているから正直に顛末を証言してカリフォルニア州と司法取引する事になるでしょう。
賭博依存症リカバリープログラムに1000万ドル寄付して謹慎2週間てところが落とし所になれば良いですが。
カリフォルニア州と決裂しても心配いらない。スポーツ賭博解禁を目指すテキサスの球団へ行けばいい、という意見もありますが、年俸の暴落と、何より評判の低下、イメージダウンが計り知れないです。
これは大谷にとって野球以外でカリフォルニアコミュニティ内でプレゼンスを上げるチャンスだと割り切り、次へ向かうことになりましょう。次、が残されていれば良いですが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です