アタマプラス(Atama+)体験記

アタマプラスというタブレット上の機械プログラムアプリを体験

おはようございます。

2018年12月の中高生のお勉強に関する(秀逸な)配信記事です。

アタマプラス(Atama+)という、無段階型公文式で数学をわからないところまで戻って「教えて」くれる学習体験をやってみたという話をします。

アタマプラスという、機械プログラムが学習者の学習進度を検証しながら、随時学習プログラムを変えていくという、究極の超個別学習キットが開発されたということを知りまして、これは一度自らの目と頭と手で試してみなければと念じまして、いろいろ調べて実際にこのメソッドを導入している自宅近くの塾を探し当ててコンタクトを取り、実際に44才筆者が80分のプログラム体験をしてきた、その体験談になります。

まず、2018年12月の福岡市に進出しているこの塾の教室長がおっしゃるには、このアタマプラスのプログラムは、

・中学数学
・高校数学
・高校物理
・高校化学
・高校英文法

の順番で開発され、ほぼこの順番で完成度が高い、ということのようでしたので、筆者の能力的な部分との兼ね合いもあり、

・中学数学

を履修させていただくことにしました。

塾では、アタマプラスのアプリをインストールしたタブレット端末(要するにiPad)を使い、ID、パスワードをセットすると、その自分のIDごとに、個別の進度が学習履歴やレベルとして、講師(といっても講義はせずにペースメーカーに徹する)のタブレット端末にも届くという仕組みです。

早速、一次関数や連立方程式の問題なんかを「検証」「テスト」問題として解いていきます。

幸い全問正解でしたので、一気に、「上級」のランクづけがされて、気持ちよく最短距離で各単元を潰していきます。

しかし、ここからが機械学習プログラムの手強いところです。

上級、の認定をされた者には、今後容赦無く難しい問題を出してくるのです。

そして、中学卒業後30年を越えようとしている筆者が忘れてしまった、忘れもしない、あの図形の問題が出たのです。

「正12角形の内角の角度とその和を求めよ」

はっ?

いきなりの正12角形の登場です。

正八角形、かの国宝、法隆寺の夢殿を真上から見たあの図に、さらに4つの角(かど)をつけなければなりません。

わからない、と思った瞬間止まっていたら、講師の方に、わからないなら時間をかけずに早めにわからないボタンを押した方が良い、その方がプログラム上失う点数が少ない、といったアドバイスをいただき、即わからないボタンを押しました。

押した瞬間、講師より、「上級から中級に下がりました」との宣告です。

単なる声かけですが、やはり悔しいです。

そうすると、追い討ちをかけるように、人工知能のやつ、ああこいつわかってないな、ということで、今度は、

「正方形の内角の角度とその和を求めよ」

みたいな、人をバカにして、といった問題を出してきやがるわけです。

こんなの簡単だろ、90度(直角)が4つで360度、はい終わり。

ちなみに、日本語は奥深い言語ですから、正4角形どとは呼びません、正方形ですよ、なんて余計な「国語」の知識がよぎりました。

人工知能の方に教えてあげたいくらいです。

では、正方形なら即わかるけれども正12角形の場合はわからない、そこにある簡単な法則とは、ということで人工知能の彼が繰り出してくるのが5分以内のミニ講義なのです。

そして、このピンポイント講義、板書に書かれている図表と先生の解説の「声」だけで、先生の顔も身振りも何もわかりません。

徹底的に講義に集中してほしいというプログラム開発側(神?造物主?)の意図だそうです。

そして、この動画、0.5倍から2.0倍まで0.1倍刻みで速度を変えられ、もちろん聞きたいところを繰り返して聞くのも自由です。

そして、この動画視聴履歴も、監督者側に筒抜けです。

この5分弱動画では、「どんな多角形でも、外角の全ての和は360度になる」という根本的なメソッドを教えてもらいました。

確かに、ずっと直線で図形を描いていって、元に戻るわけですから、ちょうど一回転、360度分の外角を使い切ったところで図形が閉じる、のは当たり前です。

ですから、正12角形の場合、外角が12個あり、外角の合計は360度で一定なのだから、

各々の外角は、360度/12個=30度

となりまして、内角は、180度から外角を引いた、すなわち

180度-30度=150度

になるというわけです。

そして、最初の問いであった内角の和は、正12角形であることから、

150度*12=1,800度

ということになります。

また、これの応用でn角形の対角線は何本引けるかといった問題も出ました。

正解は、n角形の一つの頂点から引ける対角線の数はn-3本でありますので(1つは自分自身の頂点、そして両方に隣り合う頂点には対角線が引けないため)、n(n-3)/2(本)の対角線が存在する、という答えになります。

2で割るのは対角線が一方から反対側、のものが二重にカウントされるので、実際の線の数は半分になるからです。

四角形ならば、2本ですし、五角形ならば、5本というわけです。

このnにn角形を当てはめれば、どんな多角形でも、一瞬で対角線の数は出ますし、正多角形の内角の和も、簡単に出るというわけです。

こうした、数学の「キモ」がわかった上で、いくつかの問題を、また数題解き、その中には当然正12角形の内角の和といった検証テスト問題で出された問題も混ぜ合わされながら、単元終了に向けてスパートをかけて、そして単元をパーフェクトにし、ほどなく「上級」に返り咲くことができました。

気づけば、すでに80分近くを消費しています。

A4紙の裏紙を計算で使うのですが、すでに20枚近くを消費しています。

もう、なんと言いますか、くたくたです。

計算ミスも増えてきました。

しかし、ミスすると、即ずっと前まで戻されてやり直しをさせられるのです。

容赦がありません。

よく頑張ったね、とか、もう少しやろっか、といった人間味はゼロの、ひたすら効率重視の機械学習プログラムによるスパルタ講座の連続です。

そして、制限時間を終了しました。

結果、80分弱で、中学数学の全範囲のうち、45%を履修終了状態にすることができました。

嬉しいです。

30年ぶりに本気で取り組んだ数学の80分間、これは大人もハマるプログラムだし、何より教える側のストレスや手間が究極に削減され、学習する側の時間も最大限有効活用できることを確信しました。

今後、国語や英語についても、(難しいでしょうが)開発予定だそうです。

高校数学、については、この機械学習プログラムでの集中学習をだいたい70時間行えば、いわゆるセンター試験で確実に8割以上取れるレベルに到達する、ということでした。

おそらく、(個人差はそれなりにあるでしょうが)その程度の効果は十分に期待できるものだと思います。

そして、高校数学に取り組むにしても、単純な計算力が無いものと判定されれば、容赦無く中学1年生レベルの正の数負の数まで戻されることはままあるということで、気の抜けない、どんなレベルの学習者にも等しくきつい内容であるということは言えると思います。

このプログラム、1講座受講するのにかかる受講料は、だいたい同じ時間の映画を見にいったり、ボーリングしたり、カラオケに行ったり、英会話スクールに出向くのとそんなに変わらない程度です。

ですから、レジャーとしてこのような活動をするのと同じ感覚の金銭負担でできるのであれば、これは相当効率的だなとも思いました。

面白い時代になってまいりました。

この仕組み、企業研修やケーススタディなどにおいても、きっと使えるものだと確信しました。

今回は、中学校の数学履修範囲を80分で45%まで復習しきった、頑張った筆者のお話でした。

こちらからは以上です。

(2018年12月14日 金曜日)

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