司法試験予備試験2025短答式自己採点結果!

令和7年予備試験短答式を受験(通算4回目)

こんばんは。筆者です。一部の筆者を知る方にはお馴染みの司法試験予備試験合格までの道のりを記していく記事です。今回、通算4回目の予備試験短答試験に臨みました。2022年敗退×、2023年合格○(論文不合格)、2024年×(2点足らずの165点で涙を呑む)という、1勝2敗の成績で迎えております筆者、若い学生時代に旧司法試験短答式試験に落ちているのを含めますと、1勝3敗という感じでございます。当年50歳を迎えている筆者が、人生のライフワークとしているこの司法試験予備試験、今回の私の戦いを記録します。

昨年、2点足らずに(合格点165点、筆者163点。270点満点)涙を呑んだ反省を踏まえて、細かい知識の獲得と、一教科15問をわずか30分で高速処理判断して解いていかなければならないそのプレッシャーに耐えるべく、隙間時間を使って知識の吸収と取り出し方を訓練してきました。そして、来るべき論文に臨んで勝負できるよう、基本的知識や法的枠組みを総ざらいしてきました。朝3時から4時半に起きる生活。禁酒。体重の管理(BMI22の65㎏~68kgキープ、飲食留意、毎週の運動)。何よりも掃除洗濯トイレ清掃に庭掃きを通じた精神の鍛練。これを積み上げ、十分な準備を経て体調万全で臨むことができました。

しかるに、世界一難しいこの司法試験予備試験、のっけから受験者をのけぞらせ、どん底に叩き込むような難化した問題のオンパレードでした。民法の初めから、問題文の分量がものすごく多い。一問2分で解けないペース。時間がじりじり過ぎていきます。頭の中が熱を帯び、視点が遠くなります。それでも、何とか最後まで解いて民法商法民訴法を終えて汗びっしょりです。ちなみに、一昨年、筆者は民法で満点(30点)を取っています。実力はあるはずなのに、全く触れたことのないところを問われている、試験の傾向が変わったというのが如実にわかりました。

気を取り直して、次は憲法行政法です。筆者は、先の記事で報告した通り、昨年予備試験の短答式試験で落ちた悔しさを少しでも晴らすため、行政書士試験を受け、「上位1%程度」の優等な成績で合格しました。11%くらいの合格率です。合格者の中でも10人に1人のレベル。受験者4万人の中の、400位かそこらの成績です。しかるに、この問題は全く手ごたえがわからない。憲法も、もう18歳から勉強しているのに、さっぱり、○か×かわからないのです。他の資格試験とははるかに違う高みがそこにあります。あらゆる資格に挑戦し、多くを保有してきたという経験と自負が筆者にはありますが、わからない。そして、考え込んでしまうと容赦なく腕時計の針が進みます。エイヤで一つに絞ってマークして次に進む。済んだ問題は考えない。そのようにして、憲法行政法も終了しました。

昼食時間を挟みます。筆者は、炭水化物を取りすぎると眠気が来てトイレも近くなるため、簡単に水だけ飲んであとは散歩して体力と集中力を高める作戦です。試験時間に尿意が気になるなど、1年間の努力と血と汗と涙が、無駄になります。ちなみに会場は福岡市、福岡工業大学です。福岡市会場のエントリーは880名ほどらしいですが、そもそも欠席が200人くらいはいるみたいです。あまりに難しい問題であることから心が折れたのか、途中で試験を取りやめる人もいるようです。

それでもやめるわけにはいきません。午後は法律系科目の最後、刑法刑訴法です。筆者は、司法試験委員も長くやっていた、鈴木茂嗣教授のゼミに所属していました。このゼミのメンバーは、中から見てても皆優秀で、確か20人くらいいるゼミ生のなかで、民間企業に就職したのは確か2人だけだったような、そんなゼミです。多くが法曹、つまり、弁護士検察官裁判官になっています。最も歴代優秀な卒業生は、かのオウム真理教の法務省大臣、青山弁護士その人です。21歳で学部在学中旧司法試験合格。方や50歳になっても予備試験の短答に1回受かっただけの筆者がここにおります。ただ筆者は、あの学部生の時、大学5年生、6年生、7年生、と流れて親にカネを出してもらって勉強を続けるより、一度自分の身は自分で立てるべし、ということで4年で卒業して民間企業に就職、以来、28年と半年弱、一日も休まず、勤め人(サラリーマン)であり続けたという小さな誇りを持っています。さらに、私の父親は長く福岡県警察の現場の司法巡査でした。つまり、国家警察によって教育されたというわけです。ですので、刑法刑訴法は、こちらも憲法と同じく30年近くにわたって勉強し続けているわけです。

…それでも、よくわからない!特に刑法の問題が、超超難化しています。これまでの科目の問題でももう難しすぎるのに、こんなの解けるわけないじゃないか、というような、強烈な穴埋め問題が続きます。こんなの1問2分で解くなんて無理です。しかし、皆条件は同じ。何とか守り切らないといけません。救いだったのは、刑法に比べて、刑訴法は、ほんの少しばかり、とっかかりというか突破口がありそうな感じがして、ここで耐えるしかないという気持ちで頑張れたところです。

最後に、1時間半を使って、一般教養試験が行われます。これは、44問の中から任意に20問を選んで解くことができるというなぞなぞ問題です。満点は60点。ですが、あらゆる分野からものすごく高度な知識が問われるので、教養オンリーの勝負になるという辛辣なものです。すでに、1時間半の民法商法民訴法(90点)、1時間の憲法行政法(60点)、1時間の刑法刑訴法(60点)、でふらふらになっている受験生に、最後の1時間半の一般教養(60点)がぶつけられるというわけです。満点は270点。この合格ラインが156点~170点の間にあるなんて、何とひどい試験なのだろうかと思います。100点間違えてもいいわけですから。それだけ難しい。

法律科目が全て難しく、碌な点が取れていないと思われるところ、この一般教養で取りこぼすことは許されません。50年生きてきた周辺の経験と無駄知識と雑学を駆使して、解けそうな問題をピックアップして検討します。時間があっという間に過ぎていきます。歴史地理、そして古文や論理文、経済金融、最後に物理を少しと巻末の英語で解けそうな部分だけをピックアップし、20問を完了しました。この一般教養だけは、何となくですが、例年より解きやすかったという感覚でしたが、とにかく取りこぼすことなくきっちり検討しました。

こうして、筆者の令和7年(2025年)7月20日(日)の予備試験短答式試験は、終わったのでした。

世間は、与党の参議院選挙結果の惨敗で大騒ぎになっていますが、司法試験予備試験受験生としては、ここから胃の痛い日々が続くことになります。まず、各予備校ごとに、模範解答が違うのです(割れ問、という)。さらに、一般教養については、通常の司法試験予備校では、解答を出してくれません。それでも、ロースクールズタイムズという面白サイトが、現役大学生をよってたかって動員して、何とか正答を作り出してツイッターにアップする、という作業に入るので、それなりの回答が出そろうまで、筆者は待つことにしています。

…しかし、何日たっても、割れ問が解消しないのです。しかも、自己採点をしたとしても、実際に何点が合格最低点なのか、いわゆるボーダーはどこなのか、毎年違うので怖いのです。そうこうするうち、時間が過ぎていきます。今年は、各受験生も全く手ごたえがないのでしょう。ツイッターやブログなどにも自己採点結果を上げている人も少ないです。さらに、短答4回連続合格、みたいな歴戦の兵(つわもの)ですら、160点足らない自己採点結果だというような記事をチラ見してしまい、ビビってしまいました。

しかし、割れ問がだいぶ終息し、一般教養についても解答修正が出尽くしたところで、ある程度、方向性が見えたと判断して、部屋にこもって自己採点を始めた、というところです。脳内が熱くなり手元が震える、そのような時間です。

結果を以下に示します。

民法   20/30点
商法   16/30点
民訴法  21/30点
憲法   19/30点
行政法  16/30点
刑法   16/30点
刑訴法  24/30点
一般教養 51/60点
合計  183/270点

挑んだどの科目も、粘りに粘って、過半の点を確保し、大崩れせず、そして、少しでも取れる科目だった(と思われる)、民訴法と刑訴法で少しだけ優位に立ち、そして、何より、無駄知識と雑学を詰め込んで遊んできた一般教養で、大きく水をあけることができました。予備試験の歴史上、171点以上の合格最低点はないので(156点~170点の間)、183点の自己採点結果は、十分合格していると思われます。やりましたよエイドリアン。

しかし、筆者に喜びはありません。これは、一般教養の選択20問のうち、実に17問を正答するという、神がかった運の良さ、そのおかげだからです。おそらく、時間だけは長くやっている多浪生の自分に、神様が差し込んだ唯一のチャンスなのでしょう。

感慨に浸る時間は終わりました。天王山の論文試験が9月6日(土)、7日(日)に迫っています。2日間みっちりかけて、合計10本の論文を、それぞれ70分か90分かけて書きまくるという恐ろしい試験。しかし、その地獄を味わう何よりのエントリー資格を得ることができました。胸に去来するのは感謝です。生きているという実感を、味わっています。

みなさん、どうもありがとうございます。全力で臨み挑戦します。また、報告をします。

以上