「生きることについて思うこと」

「生きることについて思うこと」
まず私は、自分が結婚するとは思っていなかったのです。
だって結婚って本当に墓場だと思っていたから。
なんせ自分の人生じゃなくなると思っていたのです。
私は自分のお金で、自分のために、自分の時間で、自分が好きなように生きたいと思っていたし、結婚したら一人の人生じゃなくなるなんて、不自由極まりないと思ってたのです。
自分の好きなことを好きなタイミングで行動するって、とっても楽しいし有意義な感じがする。
結婚したら、相手の事を考えて、相手の為に自分の時間を潰すなんて、絶対に嫌だと。
そう思っていた反面、自分一人で生きていく事に限界も感じていたのです。
さくらくんも居るから、もし精神的に不安定になって入院が必要になっても、さくらを頼める人は居ないし、だから入院は出来ないと思っていたし。
一人プラス一匹で過ごす夜が怖かったこともあった。
このまま一人なんだろうなと思っていたけれど、それはそれでしんどいなと。そしてその時の彼氏の事でも、しんどいなと感じていたし。でも好きだから別れると言う選択肢はこれからも無いと思っていたし、この人と別れたらもう次はないなと思っていたのです。
だって恋愛って凄く恋愛体力が必要だし、そんな体力はもう無いと思っていたし。
先日、友達とオンライン飲み会をしたのです。
それはLINEで映像繋げて夫ちゃんも参加で。
その友達は、今の彼氏がモラハラっぽくて危険で心配な友達なのです。
その子が言ったのです。
もうこの彼氏と別れたら、次は無いと思う。
ああ、同じような年齢で私が同じことを思っていたのだから、気持ちは凄くわかる・・・。
けれどその気持ちで執着していたら、正しく楽しい本気の恋愛が出来ない。それを私は前の彼氏で身をもって知ったから、だからその友達にそんな事思うのは勿体無いと伝えたのだけど、本人は頑なにそう思っているのも分かるから、言っても無駄だなと思ってる。
自分がもしあの時、周りになんて言われようとも自分の気持ちを曲げる事はしなかったと思うから。
そんな私の元に、夫ちゃんが突如現れた。
あれよあれよと、と言う表現がぴったりな勢いで一緒に生きていくことを決めて、すぐに結婚して。
その友達の事を心配していて、自分を振り返った時に、私もかなり周りに心配させたんだなと思う。
付き合って3ヶ月で結婚なんて、かなりな賭け事だったはず。
だけど私はこの人と結婚するのは良いかもしれないと感じたから、自分の気持ちに素直に生きることがモットーだから、後悔したくないから、だから結婚したいと伝えると相手もOKだったから、だから結婚。
そうすると、世界がガラリと変わったのです。
自分のための時間、確かに無くなった。
自分がその時にしたいこと、確かに出来なくなった。
けれど交換するかのように、平和で静かな幸せが私に訪れた。
そう、私がずっと欲しかったのはこの安心感なんだと強く思った。
今まで破天荒な生き方をしていた自分に、一番必要だったのはこの安定した気持ちを保てる環境。
一緒にいても苦痛なく気楽に過ごせる相手との、ゆったりした時間の流れ。
ゆっくり深呼吸するかのような、深くて心地よい睡眠。
部屋の明かりを一番明るくしていないと眠れなかった私が、今は常夜灯で眠れている。隣で静かに寝息をたてる夫ちゃんの寝顔を見ながら、いつの間にか眠りに落ちる毎日がとても幸せだから、私はこの人と結婚して良かったと思う。
頼りないところもある、けれど頼れるところもある。
細かな気配りが出来て、心の底から優しくて、思いやりがあって。
曲がったことが嫌いで、理不尽な事が我慢出来なくて、見た目は温厚なんだけど実は短気で。
でも、深い愛情を心に持つこの人と一緒に居たら、絶対幸せになれる気がするのです。
私は結婚相手を間違えなかった。
40歳まで独身だった私が、最後に逆転満塁ホームランを打ちかました感じ。
でもまだ結婚一年。
これから色んなことがあると思う。
けどこの人となら、すっごくベタだけど・・・一緒に困難に立ち向かい乗り越える事が出来ると思うのです。
だからこそ、その友達には諦めて欲しくない。
どう見てもクズ男な彼氏を怒らせないように、自分が好きな事を封印して、相手の顔色を伺ってまで付き合いたいと思っているのは、その人に魅力があるからじゃなく、この先はないという思い込みで執着しているだけ、そんな惨めな恋愛なんて長く続くはずがない。
もちろん友達の人生、友達が思うように生きれば良いんだと思う。けれど、今までの経験から不幸になるのが見えている友達を、放っておく事が正しいのかという所に疑問が残る。
他人の人生に口出す必要はない。そう思っているけれど、どうしても伝えたくなる。
人生を後悔することほど、悲しい生き方はないと思っているから。
私はこの人生を、何度も後悔すると思うし、今もすでに後悔していることはたくさんある。けれどこれから生きていく中でもう後悔したくない。後悔しないように生きているけれど、それでも後悔はする。だけどやっぱりこれからも、後悔しないように生きるしかない。
夫ちゃんの寝顔を今日も見ながら、静かに寝落ちする自分の今を心から幸せだと言えること、そんな生活が続く事が一番後悔しない生き方なんだと信じて、今日もちゃんと正しく生きる。それが私の生き方。

了(本シリーズは本投稿で終了です。ご愛読ありがとうございました。)