きっと僕らは日本人

吉田兼好「徒然草」

田舎での話題で多いのは、あなたのところ子供まだなの?というものです。

これは、他の娯楽が少ない田舎ならではのものではないかと思いますが、そもそも人間は、人間をコンテンツにして、喰いものにして生きていることの証左だと思うのであります。

つまり、新キャラクターの登場を待っているテレビの前のみんなと同じ状況なのです。

そして、きっと日本人には、こだわりや信念はあるけれども、一つの目標に向かって突き進む、執念みたいなものはないか、非常に少ないと思うのです。

四季毎の空気と四季毎に農作物・酒・魚・肉・加工貯蔵した食べ物が産まれ、食べ、そして年毎の自然変化までも受け入れ、今を生きる日本文化。

こんな国に、レジ袋削減とかサステナビリティとかCO2削減とか執念で持ち出しても、しょせん一時のブームが去れば誰も言ったりしません。

でも、この移ろいやすい人をひたすらターゲットとした同調圧力たっぷりのこの国、日本人の日本人の日々の営みこそがノーベル平和賞じゃないのかと思います。

人間が、最大のエンタメ。

今の人気は岸田総理。

緊急事態宣言が明けたらこぞって街に繰り出す。

新総裁が決まったら、菅総理の話題なんてゴミ箱です。

あんなに毎日良くも悪くも、よくもまあ菅ちゃんスガちゃんと話題にしていたのに、もはや誰も思い出さないではないですか。

日本人は、まことに移ろいやすい。

地震も、台風も、大火事も、過ぎれば終わります。

移ろう季節と時代と雰囲気に合わせて生きていく豊かな変な国日本では、今日を生きる、すなわち人間が最大のエンターティメントです。

日本のマスコミは、日本の庶民の代表格です。

国家の大局よりも国民市民が望む人間そのものを追った方が視聴率が稼げるのです。

だって文春だって、やっぱり見ちゃうもの。

世界の中の「田舎者」であり続けるのが日本なのかもしれません。

島国とか言っているそこのあなた、そして私も立派な日本人です。

以上