第一生命のリストラ
【第一生命のリストラ】
日本で最初に生命「保険」というものを持ち込んだので第一生命。株式会社形態として上場も果たしています。
日本が先の大戦で負けたとき、連合軍最高司令部(GHQ)が置かれたのが日比谷の第一生命本館。
マッカーサーのもとに天皇陛下(昭和天皇、当時)が出向いて歴史的な20分ほどの会談をされたという場所です。
筆者も若かりし頃、この第一生命本館(第一生命記念館)を訪問して、マッカーサーの執務部屋や業務用机を見学させてもらったこともあります。
マッカーサーの机には、引き出しがありません。これは、即断即決、最高責任者たるもの、「決断」が唯一無二の仕事であると任じた彼の美学だったそうです。
そんな歴史ある第一生命が、別段赤字で倒産するわけでもないというところ、全役職員47,000人の約2%にあたる1,000人の早期退職制度を実施すると発表しました。
たしか第一生命の新卒初任給は、32万円へ大幅に上げたのではなかったのでしょうか。
新卒採用のために即戦力にならないところへ投資し、即戦力、というか油の乗った、けれども、将来の無い、要らないとみなした50歳以上の首を切る。
若い人たちも、四半世紀かそこらで、すぐ50歳になります。その時、大量に首を切られるのがもともとわかっていて、この会社を選ぶだろうかと思います。
「長く勤めるつもりはない」「市場価値を上げてキャリアアップする」などと、美しい絵を描いている人もいるかもしれませんが、そんなのは会社側もお見通しです。
そんな横柄な若い人がいるから、若い人の給与のほうも上がらない。用済みになったら使い捨て。
そんな風に会社を追いやっているのは経営者だけじゃなくて、働き手の従業員側のほうじゃないでしょうかね。
会社の規模は関係ないです。自分のことしか考えない若者が増えているけれども、それを作ったのは筆者も含めた40歳以上の世代なのかもしれませんね。
相手がそう来るなら経営側もそうすんぞ、辞められちゃうなら、こっちからも首切りするよ、といったところでしょうか。
本当に自分のキャリアを、人生を考えるならば、このような個人の「私」ではなくて、もっと大きな「公(おおやけ)」のことを考えるようになりたいものです。
こんなことをまともに教えている学校、ほんの一握りだと思いますからここで言います。
こういう入り口だけ良い事を言って、後でひどい目あわせる会社には入りたくない。
だけども、そのような会社を、市場は、マーケットは、株主は投資家は、そして役職員自体が、要するに国民が、求めているのではないでしょうか?
以上