建前と本音

嘘も方便、うまい嘘

本当の正直者は詐欺師よりおどおどしているものです。すなわち、真実を話すときって、話した後の反応がとっても不安だったりしますから、如何に話の内容が正しくても挙動不審になることがある、ということです。ともすれば、それは見た目的には自信がまったくなさそうに見えるし、嘘をついているようにすら見えてしまいます。ということで、原則、基本、正直者は詐欺師よりおどおどしている、ということなのです。正直でいるというのは、たいへんな勇気と気合と根性が必要なのです。ネガティブな反応を受けることを耐えて受け止める精神力が必要ということなのです。

そして、正直であるということを求められている本当の意味は、建前と本音でいいますと、上手な嘘をついてくださいね、ということに尽きるのです。正直、愛していない、ということを言っては元も子もありません、そこの男子。正直、全然気持ちよくなかったとか言っては元も子もありません、そこの女子!!

私の人生の大きなテーマとして、建前と本音というのがあります。筆者はもう30年前にもなりますが大学生の時分にローマ法という専門講座を受けたときに、その教授が法の支配は建前と本音、というフレーズを連呼していたのをずっと覚えておりまして、この言葉を人生を生きるうえでなんとなく指針にしてまいりました。不思議と、人間関係や仕事のことで悩んでも、この建前と本音という切り口で解決の糸口や突破口が見つかって、とても助かったという経験も多いのです。人間関係をスムーズにする潤滑油とでもいいましょうか。

本音で話す、正直でいるというのはとても勇気がいることなのです。正直に真実を伝えようとすると、唇が震えます。おどおどします。挙動不審がおさまらない。手に汗をかくわけです。つまり、正直とか真面目とかコツコツとかいうのは、結局、全部、おどおどしているものなのです。そこでそういった緊張を和らげるために、建前を述べる。要は嘘をつくわけです。その場しのぎの。絶対本音じゃそうじゃねえよな、と自分でもわかっている絵空事を。歯の浮いたようなセリフを。友愛とか平和とか、そんなのも建前です。人間の「都合」そのものです。そこらへんの人間の、生の振る舞いを見極めることが、とても大事なのじゃないかと思うわけです。

そういうわけで、正々堂々と、大きな声で、さらには国会のような公的マックスの場所で、良いことだけを言う奴が信じられないのは、そういうことなのです。小西議員さん、よくそこんところわかってくださいね。遅いと思うけど。国会の予算委員会を経て支持率がアップした内閣なんてそうそうないけど、全部、そのほとんどは野党のあなたのクソ質問のおかげだと思いますよ。

貴重な国会での議論の場を、このような不快な質問で汚すあなたの品性こそ問われるところでしょう。
わたしは、できるだけ、建前と本音が一致するように、丁寧に毎事整えて生きていこうと思っています。
おどおどしながら。厳しい反応を受けることを耐えて忍ぶ精神力を試しながら。

以上

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