本音のトランプ、建前のハリスを破る

【本音のトランプ、建前のハリスを破る】

トランプ氏圧勝。「大統領になったら24時間で戦争やめる」「もしトラ、からほぼトラ」の未来予想図が現実になりました。ハリス氏と支持率を上下させながら争ってきました。マスコミはこぞって拮抗、と報じていましたが、全世代の有権者に、「隠れトランプ」が想像以上にいたというだけの結果でしょう。2024年11月5日(現地時間)に投開票が行われた、アメリカ大統領選。ハリス氏とトランプ氏の最終盤の攻防、そして、衝撃の選挙結果について勝手に解説します。

ハリス氏vsトランプ氏 支持率は拮抗?

さて、アメリカ大統領選最新の支持率ですが、トランプ氏が48.4%、ハリス氏が48.1%(11月2日時点)、その差は0.3ポイントとなっていました。ここからは、統計上の数字はありません。一方、別のサイトで報道されています情報、人間の欲望を最もよく表す、某国「賭けサイト」では、先月30日の段階ではトランプ氏が65.2%、ハリス氏が34.8%だったのですが、今現在どうなっているか見てみますと、トランプ氏は51%、ハリス氏が49%(11月3日時点)と急激にその差を縮めてきていました。まさに、本音のトランプと、建前のハリスの闘い。筆者はこのように見ていました。

予想された「トランプ氏圧勝」

それでも、ふたを開けてみればトランプが圧勝でした。事前の支持率も賭けサイトもかなり拮抗してるのですが、やはり、「(本音の)隠れトランプ」がいっぱいいる、ということなのでしょう。隠れトランプが、どこから来てるか。とにかく世論調査で、トランプが上を行っている報道がされるとします、そうすると、やっぱり理性が働いて、「まともな」「建前の」ハリスと答えておこうかな、と考えるのが人情というもの。ですから、表ざたになる調査や統計や賭け事では、どうしても、トランプ優位の報がなされると、人間の良く思われたい欲望が働き、ちょっとでも、「修正」しようとはかるわけです。でも、実のところ、そんなちょっとの差で統計上の支持率は上下しますから、作られた「拮抗」状態だったんでしょう。実は。
「隠れトランプ」など、今はなくなった、というのが、世論調査を見て信じたいいわゆる識者の考え(ジャーナリズムはもともとこうした「リベラル」派の人が多くてハリス寄り)というわけなのですが、やはり大衆心理は複雑で、投票用紙を前にしてはやっぱり「隠れトランプ」が発動して意外にトランプに票が流れた、というところです。

その証拠に、アクシオスというニュースサイトがやった調査で、「誰に投票するかと聞かれたら本当のこと言うか?」って聞いたら、「言わない」って言ったのが23%いた。そして、Z世代は48%、半分ぐらいが嘘をつくと回答。つまり、表に出る統計上の事前情勢と、実際の投票行動はこれだけ違うというわけです。それもそのはず。個々に何で嘘つくのかなんて、聞けないわけですが、特にインスタ嘘動画なんかに慣れた人が嘘つくのは、もしかしたら、例えばトランプと言っちゃうと、その記録が残ってると、その後の就職だとかに影響するんじゃないか、それで嫌がっているのではないかと。だから世論調査というのは今もう完全に信用できない道具になっていて、しかもトランプの票が減っているというのは筆者の見方です。
このことが実証されてしまったという事象の一つに、「ブラッドリー効果」っていう言葉があります。1982年にカリフォルニア州の知事選をやった時、トム・ブラッドリーという黒人のロサンゼルス市長が出馬して、事前の世論調査は圧倒的に強かった。
しかし、実際、選挙をしたら落ちた。なぜかというと、世論調査の時に「黒人に投票しましょう」ってみんな言っていたんだけど、実際は白人に投票した。今回も、カマラ・ハリスは黒人で、しかも女性。この人の反対側のトランプに投票するって言うと、いろいろ「建前上の聞こえ」が悪いから、妥当なところでカマラ・ハリスって言っとこうかなって票が、実はトランプに上積みされているんじゃないかということです。

ということで、7つあると言われた激戦州は、全部トランプ勝利という方向になるのではないかと思われます。民主党のハリスが勝つ州はそのままでいいのです。建前論でいける国。だけど、正義とか人権とか、そういった建前を多数派がこぞってわめきたてる国が、本当に個々の自由が担保された楽しい国なのかそれは疑問ですね。少数派が叫ぶから人権とか正義とかは価値があったわけで、もはやほぼすべての人間がそんなことを言いだしたら収拾がつかなくなってしまうのです。アメリカは日本のような「公(おおやけ)」の考え方が浸透している国じゃないから。で、選挙戦を通じて、建前のやっぱり本音で行きたいね、と考える隠れトランプ支持層、これは、この12年間以上も選挙運動やり続けている無限課金暗殺未遂おじさん、であるトランプへの絶大な支持と、やっぱり本音でいきたいね、と思う人間心理に根差した「隠れトランプ」の票はどうみても少なく見積もっても数%。2、3%上乗せするだけで、7州は全部トランプになるわけで、ふたを開けてみたらトランプ大勝、というところなんだと思います。

最後にトランプ支持の人に成り代わり論じます。人間の根源的な自らの欲望と、自分の周りの人間を助けたいという思い。こうした伝統的な当たり前の価値観に対して、正義とか平等とか、主語だけがデカい怨念じみた思想を吐き散らすような、感謝のない惨めな生き方を推奨するような、そんなリベラル思想に疲れた「まともな」層。そんなのは、そもそも人間失格だ、他所がどういう価値観で世界市民とやらを育てようと、うちの子はそうしない、と断言できる人たち。そういうのは、結局は個々の「家」の親の教育でしかない。女性の人権の拡大の前に、人の親であれ、という根源的な思想。連綿と続いた祖先からの血を受け継ぎ、そして今の現代を生きる人間として、文化や平和や親(家族)の恩を、想像力のない薄っぺらい難癖に等しい空疎な平等リベラル思想で否定しにかかる連中に対する、大きな歴史的転回点になりそうな気がしています。建前と理屈ばかりの空疎な世界線には疲れました。インスタには正義とか平等とか、空疎なおもろない思想が並んでいます。スタバのは珈琲ではなくただのホイップクリームです。そんな建前が蔓延した世の中。そんなのクソくらえ。LBGTとかSDGsとか環境問題とか女性の権利主張とかフェニミズムとか、そういうので本当に、人類全体が、個々の人間が幸せになっているのか今一度立ち止まって考えなおしてみても良いと思います。人間の根源的な欲求を描いた楳図かずお(うめずかずお)さんに合掌。

カマラ・ハリスは急遽登板の差し替え候補者の域を出ませんでした。トランプへの揚げ足取りだけで笑ってごまかす候補者しかいない、と身内の民主党支持者も(トランプとは別の意味で)頭痛いものだったと思います。そもそも大統領のバイデンが認知症でかばい切れなくなったところからの差し替えなので、仕方ないです。トランプにしても、今回、悪魔のような手練れのヒラリー・クリントンが出て来なくて良かったです。ハリスについては、現在副大統領やっていて、それで特段の成果もないのも衆目に晒されているし、バイデンが認知症で退場した時点で既にこの大統領選の勝負はついていたのかもしれません。もちろん、毎度のリベラル方向に偏ったメディアキャンペーンによっても、無理があり過ぎて「願望」レベルの拮抗を演出するので精一杯。
しかしながら、勝者のトランプにしても、今回は日本の選挙ばりに「消去法的な」「圧勝」という事を前提として締めなおさないといけません。自分も歳取ってるし、ウクライナとイスラエル(ユダヤ)抱えて、無責任で教育のない(失礼)アメリカ国民の要望だけを達成しなければならないという苦行が待っているわけです。確かに、前回(2016年)よりもはっきり中国はの凋落は激しく認識されているので、その点だけな楽な「ディール」となりそうですが―。唐突ですが終わります。以上