死とは

今まで数多くの人々の看取りに立ち会ってきました。親も友人も含みます。その度にその方の人生に思いを馳せます。

生きるということは、それぞれの人生に長短あれども、皆平等であります。地位も人種も性別も信条という服も、死を迎える段階では全て脱ぎ去って、みんな裸です。また赤ん坊になって、旅立っていきます。

生まれる、生きる、死ぬ。これが人生の本質で、どこに重点を置くかはその人次第。日本人の死生観を振り返ると、中世から江戸期までは死後の世界の方が遥かに巨大でした。今はどうでしょう?今の命に固執しすぎている感じがします。まるで来世なんかありゃしない、という振る舞いの現代人。

生きることを考えるときは、生きていない時のことも同じくらい考えるとその本質に迫ることができると考えています。頭の上にいらっしゃる、連綿と続くご先祖さまたちの束。そういうことを理解できるかどうかで、だいぶ生き方が変わってくると思います。

以上