セブンアイが百貨店を売る日

セブン＆アイ・ホールディングスが、傘下の百貨店事業会社、そごう・西武を売却する方針を決めました。総合スーパーを祖業に、コンビニエンスストア、百貨店と「総合小売りグループ」を目指し拡大を続けたが、相乗効果を発揮し切れなかったので、今後はコンビニ事業に経営資源を集中し、海外に活路を見いだすということです。

という、公式見解によると、セブン＆アイが総合小売と決別、コンビニに集中ということになれば、建前ではまったく触れてはいないが、イトーヨーカ堂はどうなるのと誰もが思っているはずです。

そして、個人的な意見を言えば、イトーヨーカ堂事業は他社に渡してはならないと考えます。

理由は

①イトーヨーカ堂の店舗網は国内で最優良の首都圏駅前立地であること

②イトーヨーカ堂食品販売額＋ヨークベニマルの売上規模はは今でも1兆円弱で東日本で最大の「食品スーパー」であること

③グループ食品スーパー　ヨークベニマルのサービスレベル、収益力ともに国内最強クラスであること

そして何より

④イトーヨーカ堂は、伊藤さんが始めたこの会社の祖業であり、生まれ故郷です。セブンアイのアイは、イトーヨーカドーのアイです。祖業の社名や創業者の名前を放棄した会社が、その後飛躍したという話を筆者は寡聞にして知りません。栄光の松下電器の名前を捨てて製品名の一つにしか過ぎないパナソニックを社名に持ってくるという愚行を犯した会社の現在を見るに、その思いを強くします。

以上から、今後のイトーヨーカ堂は、ヨークベニマルとの全面コラボによる食品スーパーとしてその地の利を生かすべきであり、2階以上の上層階は自前を放棄し、駅前テナントミックスが得意な企業とのコラボで十分と見ます。

知る人ぞ知る事実ですが、ヨークベニマルの売場が首都圏にあれば、消費者は絶対にうれしいはずだと思います。

以上