勾留却下決定の後に自殺した事案

「スキンシップのつもりでやった」トイレで教え子の男子生徒にわいせつか　中学校教師の男逮捕

生徒へのわいせつ容疑の教諭が死亡、自殺か
2022年5月23日(月) 11:30配信

産経新聞より

勤務先の中学校に通う男子生徒にわいせつな行為をしたとして、警視庁光が丘署に強制わいせつ容疑で逮捕された練馬区立中学校の男性教諭（３７）＝練馬区＝が釈放後に死亡していたことが２３日、署への取材で分かった。自殺とみられるという。

光が丘署によると、２１日午前５時２５分ごろ、練馬区光が丘のマンション敷地内で、男性教諭が血を流して倒れているのを通行人が発見、その場で死亡が確認された。遺書などは見つかっていないという。

男性教諭は、１３日に勤務先の校舎男子トイレで男子生徒を個室に連れ込んで体を触るわいせつな行為をしたとして、１８日に逮捕された。２０日夜に釈放され、光が丘署が在宅での捜査に切り替えていた。

勾留請求却下の事案

本事案は、報道によると，逮捕後，被疑者は検察に送致され，検察は，裁判所に勾留を請求したが，裁判所が勾留却下をしたため，釈放された模様である。

勾留は，罪証隠滅や逃亡のおそれがある場合に認められる。

「自殺」が罪証隠滅に該当するかは議論があるが，検察実務では，自殺のおそれのある被疑者については，罪証隠滅と同視して，勾留請求をしているように思われる。

そのそも本件は，強制わいせつ容疑であるので，逃亡や罪証隠滅のおそれが高い類型の犯罪であり，勾留却下される事案は，さほど多くない。

教員で，安定した職業であるが，重罰が予想され，失職する危険も高い以上，逃亡を企てる可能性はあるであろう。

また，被害者への働きかけなどによる罪証隠滅のおそれも高い事案である。

裁判所の勾留請求却下が妥当だったのか，やや腑に落ちないところである。

以上