誇りある撤退

【誇りある撤退】
米民主党のバイデン大統領は現地7月21日、11月の大統領選を戦う党の候補者指名を辞退し、選挙戦から撤退すると表明しました。後継候補にハリス副大統領を支持すると明らかにしました。大統領の職務は2025年1月の任期まで続けますが、これで公式に同氏は「降りた」ことになります。ハリス氏は、初の女性・黒人副大統領で、知名度は確かに高いです。しかし、これだけ長く現職のバイデン氏を引っ張った結果、明らかに遅すぎる決断となってしまいました。民主党の中も、とりあえずバイデン氏を降ろしたはいいですが、さりとて、それに代わる強力な候補を、この4年間、いわば、オバマさんが出てきた2008年の昔から、大して出すことができていないわけですから、相当の混乱状態にあることは間違いありません。もちろん、現職の大統領をスポークスマン、宣伝材料に使える利点は非常に大きいです。まだ「どん底」ではない、とする向きもあります。しかし、バイデン氏撤退を受けてもそんなのは歯牙にもかけずに、対抗のトランプ氏は、バイデン氏の後継「誰が出てきても同じ」と嘯いています。
さて、早速民主党は後継候補の選定手続きに入ります。実は、まだ、バイデン氏を党候補として正式に指名していないので、代議員が指名投票で新たな候補を選ぶことになります。バイデン氏が指名したハリスさんになる可能性は、五分五分といったところでしょうか。
とにかく、最もほっとしたのは、当のバイデンさんなのではないでしょうか。オバマさんの副大統領としてデビューしてから大統領まで、長きに渡り、米国大統領なる悪魔の職を務めたバイデン氏には、誇りをもって今後を過ごしてもらいたいと思います。
以上