不動産資産を小口に分散して販売投資できるJ-REITという金融商品
おはようございます。
2017年2月の配信記事です。
2002年に日本でも不動産投資信託が解禁されて初めての上場不動産投信が世に出てすでに15年になりました。
リートとは不動産投資信託の略で、賃料が発生する不動産資産をいくつかバスケットにした「箱」であり、その均等に細分化された持ち分を株式のように「投資口」として購入し、その不動産資産の運用益を享受しようというものです。
非常に小口ながら、巨大な不動産資産のオーナーになれるというわけです。
株や債券に並ぶ第三の投資資産として不動産が考えられてきましたが、このように証券化されて保有コストが極限まで下げられた投資商品として、裾野が広がることが期待されたのです。
こうして一時は42まで上場リートは増えて、リーマンショックを機に破綻するリートも出て、それからリート同士合併時代が本格化し、そして今また歴史は繰り返される状態のようです。
リートを巡っては、世界的な金融危機の余波でキャッシュが金融緩和で積み上がりその過剰流動性が有限である不動産市場に流れ込むリスクがあり、バブルが繰り返されることが多いともされています。
ただ、価格が上昇するといっても、そのリートが運用している不動産物件の品質がある程度高いことが条件です。
いくら証券化しようが不動産としての商品価値が何よりも重要
不動産も商品ですからクオリティが重要です。
品質が充分であれば投資家も金融機関もお金を出しつづけることができます。
あくまで資金を引き上げないという信用が守られると判断できる中で割安な銘柄を探しましょう。
特に人口が減少している現代日本では、不動産の立地・クオリティは極めて重要だと思います。
この金余りの世の中の調子では、またバブルが発生するかもしれません。
マネーが潤沢になれば、実態資産の物件を買いあさる傾向も強くなりますし、その中で質が劣後する物件も混じっていきます。
そしてますますリートの株価も物件の評価額も実勢(すなわち店子やテナントに貸した上でもらえる賃料)を無視して高値になっていきます。
歴史は繰り返します。
人はなかなか長期的には学ばない動物のようです。
なかなか学べない筆者からは以上です。
(平成29年2月6日 月曜日)


