絶頂の瞬間に破綻の芽が見えること

つぶれる予感のするお店とは?

つぶれる飲食店に共通する、つぶれる前の危険な状態とはどんなものですか?

スイーツ屋さんを経営している知人がいました。

彼は親から引き継いだその店を、努力と根性で人気店に成長させてヒット商品も生み出し、店舗も支店がアチコチに増えるまさに破竹の勢いでした。

そして…。

これまで蓄積してきた利益で新たに旗艦店を作り、そこのプレオープンに招かれた時です。

私は何となく「この店はもう発展してゆかないだろうな…」と感じました。

その理由をいくつか挙げると、

・いくら儲かっているからといってもその旗艦店がスイーツショップに相応しくない規模と派手さだった事。

・新たに作った名刺が分厚い金属製でいてデコレーションしすぎて文字が読めずに光って眩しく、受け取った人が迷惑極まりないものだった事。

・メディアの取材があるからと、ケーキの並んだケースの表面を洗剤を拭きつけながらせっせと磨いている最中、記者の方が邪魔だったからと大声で怒鳴りつけていた事。

・プレオープン後に開催されたパーティーに出席している面々が、日頃取引のある青果店等、業者さん達ではなく氏行きつけのキャバクラのお姉さん達だらけだった事。

・しばらく会話をした所、話の規模がもはや社員数千はくだらない企業レベルのものであり、そこで扱っている金額がどう考えてもケタが違っていた事。

以上が気になった点であり、付き合っていてもあまり気分が良くないもので、自然と疎遠になりましたが、

ある年の暮れ、莫大な借金をこしらえ破産したのだという事実が耳に入りました。

私が彼と最後に話したのは、突如深夜にかかってきた「これから飲みに行かないか」という電話でした。

今現在も、氏は雲隠れしているそうですが、知る筋の話によると、居場所はおおよそ見当がついていると言います。

以上閉めてしまうお店は、上記と似通った部分がチラホラ見え隠れするものかと感じます。