国際金融当局が行う金融政策には限界があるという話をいたします
おはようございます。
2013年9月の記事です。
本日は金融政策について話をしたいと思います。
国際決済銀行(BIS)とは、通貨価値および金融システムの安定を中央銀行が追求することを支援するために、そうした分野についての国際協力を推進し、また、中央銀行の銀行として機能を持つ国際機関として、各種金融規制を行っております。
このBISは、2008年のリーマン・ショックに端を発する世界的金融危機に先立つ2005年頃に、その年次報告書において金融不均衡の累積(要するに金融緩和による経済浮揚効果の副作用が積もり積もったということ)が限界に達しているのではないか、近く金融大危機が起きるのではないかという警鐘を鳴らしていたという、敬意を払うべき実績を持っています。
さて、昨年度及び今年度のBIS年次報告書によれば、わざわざ「金融政策の限界」という一章を設けて、世界中で現下行われている極めて緩和的な各国中央銀行の金融政策のもたらす弊害について考察しています。
それによると、金融緩和政策はそれ自体のみで、根本にある健全性の問題やより基礎的な経済の構造的諸問題を解決できるものでは決してなくて、あくまで現状を固定治癒するのみの対処療法なのだと述べています。
要するに問題の先送り
要するに時間を買って問題の先送りを行うのみのものである、と喝破しているのです。
言い換えれば、長期に渡る「異例の」金融緩和(0%金利とか大胆な流動性供給ということで、マーケットにただ同然のカネを流し続けること)による弊害の第一は、経済の基礎的体力が弱っている(そして雇用が増えない)という真の問題を覆い隠してしまうことです。
自律的な景気回復に向けた民間セクターの自助努力の芽をも詰んでしまうということなのです。
そして、次の問題は、助けようとしている銀行業の収益基盤を実はスポイルして侵食しているということです。
銀行は通常の貸金では利率が限界まで低くなっており利回り収益を稼げないので、勢いバイアスがかかり手っとり早い収益を求めて投資銀行化していきます。
それは金融レバレッジを極限まで高めたギャンブルにつながる道で、その結果は2008年に世界中で実証されているのではないでしょうか。
大損するほど持っていません筆者ですが以上です。
(平成26年9月1日)
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