胡錦濤強制退場事案
胡錦濤前国家主席の中国共産党党大会の突然の強制退場、筆者も映像で見ました。このニュースは怖すぎます。前国家主席の胡錦涛をカメラの前で強制的に退出させて、面子を叩き潰し、胡錦濤派を震え上がらせたわけだから、「もう胡錦涛なんぞは怖くも何ともないし完全に指導部は掌握した。これからは習近平の独壇場だ」と宣言したに他ならない。一人だけ定年を無視しちゃってるし。
最前列の習近平氏の隣にいた胡錦濤前国家主席が職員に退席を促され、習氏の机の書類を取ろうとするのを習氏が防ぎ、その後、脇に両手を入れられ連れ出されています。共青団派の李克強(今回67歳で退任)に頑張れと腕を叩く胡氏が印象的。規定通り2期10年で辞めた胡氏と実績もないのに居座る習氏。垣間見える内部抗争の凄まじさです。
同時に、ここまでした以上は、悲願である台湾統一というデカい成果を5年間のうちに達成できなければかえって危険な事になりかねない状態になりました。こちらのほうがはるかに世界にとってヤバいです。つまり、より怖いと思ったのは、中国が武力行使をして台湾統一を目指す可能性が高くなってしまったと感じたからです。胡錦涛まで虚仮(コケ)にして権力掌握をアピールしたんだから、あり得ない成果を求めるでしょう。まったく恐ろしい。2年か、3年か、はたまた1年以内か、まったく分からんが東アジアで大きな戦争があることは確実だと思って日々を過ごしたほうが良さそうです。
メディアが入った後に起きたことであり、そして動画までばっちり撮影してる中で連れ出されてそれを共産党の情報統制は遮断しませんでした。そして、それを見たほぼ全ての共産党員が全く無視を決め込んでいるのも全く恐ろしい光景です。
中国国内でこの事について説明は無い、と言うが共産党的にはこの出来事を、隠す必要はないし見せてもOKと判断しているのでしょう。医療チームが健康状態の変化に気付いて退席を促した、との憶測もありますが、そんなの言い訳でそのチームが習近平の意向を受けていたのなら、習近平が自分の意思で重鎮とされる幹部でも追い出せるぞとアピールをした事になります。重要な事案の採決前だったらしいから、反対でも入れられて赤っ恥を書く前に手を打った可能性もあります。いずれにせよ、この映像が表に出された事は習近平が前総書記を動かした権力の象徴として扱われることになったのは確実です。
あまりに強烈な事案で驚きました。定年を無視して権力に居座る習近平に対して、胡錦濤としては我慢がならなかったのでしょう。そしてそれを実力で排除した、というわけですね。
重大な人権侵害事案なのですが、これを見た日本の護憲派や人権派と言われる方々のコメントを聞いてみたいところです。
以上