王将社長射殺事件が重大局面に

 「餃子の王将」を展開する王将フードサービス本社(京都市山科区)前で2013年、大東隆行前社長=当時(72)=が射殺された事件で、京都府警捜査本部(山科署)は、特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系の組幹部の男(56)が関与した疑いが強まったとして、殺人と銃刀法違反の疑いで逮捕状を取った。27日、捜査関係者への取材で分かった。発生から8年10カ月を経て事件は重要局面を迎え、府警は全容解明に向けて捜査を進める。

【画像】犯人はこうして射殺を実行し、逃走した

 捜査関係者によると、事件の実行役とみられる男は現在、別の銃刀法違反事件などで実刑判決を受け、刑務所で服役している。

 捜査関係者の説明では、男は、氏名不詳の人物と共謀し、13年12月19日午前5時45分ごろ、京都市山科区西野山射庭ノ上町の王将フードサービス本社前の駐車場で、自動装塡(そうてん)式拳銃を4発発射して大東前社長の両胸や腹などに命中させ、殺害した疑いが持たれている。

 府警は、殺害現場付近に残されたたばこの吸い殻に付着したDNA型が男と一致したことや、犯行現場からの逃走に使われたとみられる小型オートバイのハンドル部分に残った硝煙反応、男の事件直前の足取りなどから、容疑者として特定したとみられる。

 府警は今後、大東前社長が狙われた背景を慎重に捜査し、事件の全容解明を図る。

男は、08年に大手建設会社の車に拳銃4発を発射したなどとして、銃刀法違反などの罪で、19年11月に懲役10年の判決を受け、刑務所に収監されている。