ビックモーターの息子さんへ

そりゃ誰だって逃げたいさ!

ビックモーター親父の論理

・吊し上げられることはわかってる
・今までやってきたことは世間様では通らなかった
・これまで自分に言い返すこともなかった部下たちが、どんどん秘密を暴露している
・出来の悪い社員や言いつけを守らない現場担当者を叱咤激励・降格・異動させてなにが悪い?
・本当なら俺が表に出て、社員たちの悪さをバラしてもいいんだぞ!
・「街路樹まで枯らせ」なんて言ってない!マニュアル手帳に書かれた「環境整備」をしろと言っただけなのにアイツら…。
・保険会社だって「Win Win」で行こうと握っていたのに…

ビックモーターの息子(跡継ぎ)の心中

👤新社長も「このまま表には出しません!」とは言うものの、当局の調査に呼び出されはしないか?会社を一旦辞めて、ほとぼりが冷めるまで大人しくしてろ、と言われたけどそれでいいのかな?
👤これから絶対俺に非難が集中するよな💦
(でも上場会社でもないし、いっか(^^;)
👤持ち株会社の役員を続けていれば、会社を辞めても支配権は残るし、万が一倒産したとしても責任を取る必要はない。でも個人が刑事告発されたら賠償責任が発生するから話は別💦「それだけは防ぐ!」と親父は言うけど…。
👤少し大人しくしてればなんとか落ち着くかも。本当のことが全部表に出たら、国や保険会社・金融機関まで及んで大変なことになる。きっとそこまではいかないよ。うん、大丈夫🙏

✅さて、修羅場くぐった筆者からご子息へ

君が心配していることはこれからすべて現実になりますね。遅いか早いかだけの違いです。
これまでは親父さんや古参の幹部に守られて来たでしょう。しかし、お家は崩壊しつつあります。その間、なにも学ばなかったのかも知れないね。世間って厳しいよ。
君の人格がどうであれ、旨みのある会社にはいろんな人が寄ってくる。そして実質的に陣頭指揮を取る君を持てはやす。みんなが君に傅(かしず)く毎日は気分が良かっただろ?なんでも思い通りにできると思ってゾクゾクしたろ?その様を見て親父さんも嬉しかったと思うよ。
物事というのは自分だけうまく行くことはない。良い時があったり、苦しい時期を乗り越えたりしながら、地に根を張って行くことが大切だ。除草剤なんかで枯らしちゃダメだ。
私も何度も何度も似たような(逃げ出したくなる)経験を持っている。そんな先輩からひとことだけ言わせてもらうと『逃げても何も変わらない』『むしろ悪化する』ということ。変わらないどころか、秒単位で自分の立場が悪くなっていく。そして考えることは責任転嫁とかやりすごすとか、そんなつまらないことばかりになる。状況は最悪だ。だから開き直って正直に言っちゃったほうがいいんじゃない?正直であること、事実であることはものすごく強いよ。だって事実なんだから。
真実じゃないから人は策謀を巡らす。半沢直樹に喝采を送られるのは、彼が事実ベースで詰めていくからだ。彼は事実ベースで詰めていく時、自分の(不都合な)事実も出している。事実と事実、どちらがお天道様の前にさらけ出された時、どちらがより卑しいと世間様に弾劾されるか。それだけの違いよ。

【そりゃ誰だって逃げたいさ!】

そりゃ怖いだろうね。でも、そこで腹を決めてみんなの前に出てきて、これまでのことを謝ることから始めるべきだね。「すいませんでしたm(_ _)m」って。
親父さんが一緒でも、幹部や弁護士が同席してもいい。丸腰で真剣に頭を下げる君の姿を見て、初めて話を聞いてくれる人が出て来るんじゃないのかな?
秦の三世皇帝の子嬰は、首の組み紐をかけて、服喪につかう白い馬と簡素な馬車に乗り、天子の玉璽を奉じて、軹道という土地において、劉邦に降伏しました。天晴な降伏ぶりとして、劉邦は彼を許し、「降伏しているものを殺害することは不肖である」として、子嬰を役人にまかせて一族ともども身の安全を保証し、秦の宮室や府庫を封じた上で、軍を返して覇上に駐屯しました。あとから入ってきた項羽が速攻で子嬰を殺して略奪の限りを尽くしますが、この故事も、結局は楚漢戦争で漢が勝つ大きな理由になりました。

✅(悪気があっても無くても)ミスを犯した人が、もう一度頑張る気持ちがあるなら復活できる

失敗を①認める→②謝る→③償う→④やり直す この手順を踏まなきゃダメでしょうね。君の場合はまず①からだな(^^;。君が覚悟を決めて『しっかり解決して復活したい!』と思うなら、どんな嫌な役目でも逃げないで取り組むことを勧めます。嫌なことから始めた方がいいです。そうすれば親父さんも、加えて奥さんや子供たちもきっと喜ぶはずです。大丈夫、命までは取られないから。やってごらん!だけどこのまま逃げ続けたら、未来は限りなく閉じていき、どこかで詰まって死ぬよ。それだけは保証できるね。まあ、お前さんが決めることだから、どっちでもいいけどなー。
自分で決めな。
以上