野田代表誕生

【代表選詳報】野田新代表「明日の午前中までに人事の骨格決めたい」
立憲民主党は23日午後、東京都内のホテルで臨時党大会を開き、野田佳彦元首相(67)を新代表に選出した。野田氏は1回目の投票で首位になったものの過半数に達せず、決選投票で枝野幸男元代表(60)を破った。早期の衆院解散・総選挙を想定し、自民党派閥の裏金事件への批判を追い風に政権奪取を目指す考えを強調した。任期は2027年9月まで。
 野田氏は演説や記者会見で「本気で政権を取りにいく覚悟だ」とした上で、24日午前までに党執行部の骨格人事を固める意向を表明。人事について「私にはない刷新感をどうつくるかが重要な観点だ」とも述べた。
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 衆院選に向けては「自公過半数割れに追い込むため、野党の議席を最大化するのが現実的な戦略だ」と強調。野党間の協力の必要性を指摘したが、連携の具体策については「それぞれの野党と誠意ある対話を続けたい」と語るにとどめた。
 代表選での自らの勝因について「コアな立憲支持者だけでなく、もう少し幅広く無党派、本来は自民支持の人たちに届くメッセージを出せる可能性に期待した人もいるのでは」と分析。これまで野田氏は立憲の課題として「リベラルな方向と仲良くやりすぎているイメージ」を挙げ、次期衆院選に向けては裏金事件で自民を離れた「穏健な保守層」を取り込む戦略を示してきた。
 代表選出に先立つ党大会での演説では「格差を是正し、分厚い中間層を復活する」「金権政治を終わらせ、世襲を制限する。政権交代こそが最大の政治改革だ」などと訴えた。
 野田氏は11年9月から1年あまり、民主党政権で首相を務めた。政権公約(マニフェスト)にない消費増税を打ち出し、党分裂を招いた。12年に衆院を解散。総選挙で敗れ、野党に転落した。
 代表選は野田氏、枝野氏、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)の4氏で争われた。1回目の国会議員、国政選挙の公認候補予定者、地方議員、一般党員・協力党員による投票で野田氏は267ポイント、枝野氏は206ポイントを獲得。ともに過半数には届かず決選投票にもつれ込んだ。泉氏は143ポイント、吉田氏は122ポイントだった。
 決選投票は国会議員、公認候補予定者、都道府県連の代表者による投票で争われ、野田氏が232ポイントを獲得。旧立憲結党の中核である枝野氏(180ポイント)との一騎打ちを制した。
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