良心に従うということは常に必要とされるということにつき述べます(2017/04/18)
おはようございます。
2017年4月の両親に関する配信記事です。
2017年4月、21世紀になってずいぶん経つというのに、世界の進歩は相変わらずこんなにも遅いのかとちょっと悲しくなる事件がありました。
アメリカのある州(日本ではアイダホポテトで有名な州)にある学校(日本でいうなら中学校くらい)にある食堂で働く女性の職員さんが、お腹が減ったのだけどお金はないの、と訴えた12歳の生徒に対して無料で昼食を渡してかどで解雇となった、という事案があったそうです。
この女性職員は、最初訴えを聞いた時に、それならば自分のお金で食べさせてあげようとしたらしいのですが、それも上司に止められたそうなのです。
そしてそれならば「ほんの少しのリスク」を犯して黙って生徒に昼食をついであげた、それがバレた結果学校から届いたのは解雇通知書、その理由には「業務中に学校の所有物を盗み、不正な取引をしたため」とあったそうです。
命のビザを出し続けた故杉原千畝(すぎはらちうね)外交官
程度は異なれども我が国においても、先の大戦中にあって6,000人以上のユダヤ人にビザを発給し続け、本省の叱責もいわば無視して命を繋ぐ仕事をリトアニアの領事館で行い続けた杉原千畝外交官に対し、外務省の取った仕打ちは強制帰国後の依願退職という冷酷な事案があります。
真の国益にかない、人道的博愛主義に基づいた人間的所作を行なった者に対し、当然の尊敬と顕彰、名誉回復の宣言がなされたのは尊敬すべき大先輩である杉原千畝外交官の生誕100年を数えた2000年のことだったのです。
組織が間違ったことを自ら正すのには時間がかかります。
しかし、今回の事例については、発達したSNSを通じたインターネット上の名誉回復の署名活動が急速に巻き起こり、当局の学校側もそれを無視できなくなったことから、ほどなくして彼女は職場に戻ることができたそうです。
「お金がなくお腹を空かせた子どもにご飯をあげるというのは普通の行動」
という意見が世界の多くを占めて組織を動かしたということは、杉原先生を先輩に持つわれわれ日本人にとっても嬉しいことだと思います。
杉原先生の件では数十年かかったことが、本件では数日で済んだ、ということをもって世の中進歩していると見てもよいのかもしれません。
教育や経験というのは時として人としての目を曇らせることがあるのかもしれませんが、どんなときでも人間としての良心に従うというのが原点だと思いました。
「曇りなき目で見定め、決める」
というアニメの名セリフだけは妙に覚えております筆者からは以上です。
(平成29年4月18日 火曜日)