おはようございます。
2017年4月のインターネットに関する問題点の記事をお送りいたします。
既に、全世界の人々の情報共有ツールになっているフェイスブックですが、米国中西部オハイオ州で2017年4月16日、ある30代の男が路上で通行人であった70代男性を銃で発砲して殺害し、その上その一部始終を収録した動画をフェイスブックにアップ(投稿)したということです。
男は殺人を続けるとフェイスブック上で「予告」しており、警察当局等が行方を追っていたところ、4月18日において、少し離れたペンシルベニア州で見つかり、所持していた銃で自殺したとのことです。
この模様はフェイスブックにはアップされていません。
他人の命も軽いなら、自分の命も軽いこのような銃所持の国に起こる悲劇に立腹を禁じ得ないところですが、フェイスブックにアップされたこの不適切な殺人模様の動画は、数時間後にフェイスブック社によって削除されたとのことです。
しかしながら、フェイスブックで実現している動画投稿機能並びにライブ機能を使えば、こうした不適切な模様の録画投稿もライブ配信もできてしまうわけで、これまでは映像メディアは一部の通信配信事業者(テレビ会社など)に独占されていたところ、全世界にこの機能が解放されたところ、こうした新たな問題が出現してきたということなのでしょう。
同じような話が少し前にありまして、こちらはネットの巨人グーグルが提供する動画配信サービス最大手のユーチューブにおいて、人種差別やいわゆるイスラム過激派の活動に賛同する内容といった不適切な動画に、広告主の広告が配信されてしまうという調査結果が発表され、英国政府やBBCといった大手メディアがユーチューブへの広告提供を取りやめたといった措置に発展しました。
米グーグルは、これを受けて、短期間のうちに、このようなユーチューブ上の適切でない動画に広告主の広告が意図せず配信されるようなことがないように改善していくと公式ブログで声明を出しています。
当然でしょうが、膨大な量のユーチューブ上の投稿動画上に配信する広告は手動で制御しているものではなく、動画に最適な広告を表示するためのターゲット設定アルゴリズムを採用しています。
ブログページに配信される、アドセンスなどのバナー広告についても、同じように関連するコンテキスト要素を基に、自動で決定されているのと同じです。
といっても、広告主としてはどの動画に広告が表示されるかは広告の死活問題であり、英国政府は彼らの広告が不適切なコンテンツで表示されないように品質を保つ責任を持つべきとグーグルに釘を差しています。
広く大衆に広まることは良いことですが、同時に当然に求められるこうした遵法精神にどう沿って運営していくか、ネットの巨人たちも結構人間臭く悩んでいるのかもしれません。
こればかりは人工知能とアルゴリズムが万事解決とはいかないようです。
悩み多い人間知能の筆者からは以上です。
(平成29年4月19日 水曜日)