2015年9月米中会談に見る世界の大国同士の外交での振る舞いについて
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横浜 外交官の家 |
おはようございます。
2015年11月の国際外交に関する配信記事です。
2015年9月の中国首脳習近平(原音ではシージーピン、日本読みだとしゅうきんぺい)が米国を訪問して実現した米中首脳会談ですが、残念ながら二国の取る路線の対立が強調されただけで終わったと評価されました。
確かにシアトルといった西海岸での経済協力面については、シリコンバレーのIT大企業トップらの大歓迎を受けた習国家主席でしたが、東海岸の政治の中枢ワシントンにおいては、一転中国に対して否定的な共和党の上院下院の目もあるのか米国側の冷淡な対応に終始しました。
この後、文字通り東西の大国であると自負する両国は、矢継ぎ早で展開の早い猛々しいやり取りを行っています。
「インテリ」「お利口さん」で通っていた米国オバマ大統領が南シナ海のスプラトリー諸島に中国が築いた人工島海域に、日本の横須賀からイージス艦を出動させて「通行」すれば、中国国家主席の習近平は英国に飛び、7兆円を超える国家間巨額ビジネスを手土産に関係強化を迫り、米英の関係に横槍を入れました。
対する米国はTPPを詳細不明な「合意」に持ち込み、中国抜きでの環太平洋経済圏実現を一歩進めようとしますが、中国も台湾総統馬英九(原音ではマーインチウ、日本読みだとばえいきゅう)との歴史的な電撃首脳会談を、中華系の勢力が強いシンガポールで行うなど、東南アジアへの布石を着々と打って対抗します。
このような大国に挟まれたASEAN諸国、そして日本の出方と対応は非常に重要です。
そのためにも世界に通用する「戦略」を議論すべきだと思います。
選挙好きの政治素人の筆者からは以上です。
(平成27年11月22日 土曜日)