どうして私はウーバーイーツを使わないのか

わたしの理由

美味しい下町の社員寮近所の手打ち蕎麦屋さん。
毎日オヤジさんが、昔ながらのこんなバイクで出前に出かける。

バイクの荷台をよく見て頂きたい。
幾つものサスペンション。温度を守るボックス。箱自体を汚れや風雨から守るシート。
箱の中の商品を輸送中の揺れや、衝撃から守るための工夫がてんこ盛りである。

こういうバイクで、日本は丁寧に出前を行ってきた。
蕎麦を打つところからこだわって調理した親父さん本人が運転してお届けしている蕎麦屋さん。味はもちろん逸品だ。

こういう昔ながらの出前を知ってるから、わたしはUber eatsは頼まない。

Uber eatsの配達員は、配達専門の日雇いのバイトだ。
マジメな配達員ももちろん居るが、コンビニ前で自転車止めて地面に配達バッグを直置きして休んでいたりする姿をよく見る。
ガシガシ自転車漕いで坂道登ってる姿も見るし、今の時期なら服が汗だくでタオルを首に巻いて、バッグを背負っている背中も汗だらけ。

頑張ってる姿は立派だし、美しさすら感じる働きっぷりなのだが、悪いがどれだけ頑張っていようが、それは食品を配達する姿ではないとわたしは思っている。
そもそも何でわざわざ揺れる自転車で、しかも左右に揺れる背中に背負って運ぶ必要があるんだよ。

雑誌のインタビューで、爽やかな輝く笑顔のUberの配送スタッフが「エクササイズも兼ねてとても楽しい仕事です!」とか答えていたが、運動したけりゃ他でやれやと思います。
わたしの食べ物をおまえのバイトとエクササイズついでに届けるんじゃねーよ、と思ってしまうわけです。

そして、偏見かもしれないが、Uber eatsは、ジャンクフードだらけのアメリカが生んだ文化だと思う。背中に密着するリュック背負って配達してる時点で、わたしはあんなのに出前して貰う気にならないが、さらに申し上げると頼まない最大の理由はそこではない。

作り手と届け手が、全く関係ない別の人間の分業である点だ。知らん奴が運んでくる、そんな訳のわかんないもの口にできるかって、思うわけです。そんな無責任な出前をする店なんか、わたしは行かん。個人の自由なんで。

今時古い考え方だと言われようが、非合理的と言われようが、一向に構わない。わたしの食うもんは、わたしが好きに選ぶ。そもそも人間って、不合理の塊ですからね。

わたしは作ったオヤジさん自らが大事そうに専用バイクにまたがって出前をしている、昔ながらの蕎麦屋さんにできるだけ通い、そして大盛り蕎麦をバンバン出前頼んで応援しようと思うのです。

そういうことを言いたいので、書きました。あくまでの、わたし個人の都合です。

以上