靖國参拝
憲法改正、靖国参拝。その前に知っておくべき安倍元首相の考え
石破氏は憲法改正を言いだしているが、タカ派なので、靖國参拝もするかもしれない。
高市氏は首相になっても堂々と靖國参拝をすると公約のように言っていた。しかし、靖國参拝のどこがまずいのかわかっていない人が多過ぎる。
実は、安倍元首相も、まじめに分祀を考えていたようで、周囲にもらしていたことも明らかにされているし、高村正彦氏は自著で、A級戦犯分祀について「安倍氏超側近から相談」されたことを明言している。
実はサンフランシスコ平和条約の11条に、「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。」ということが書かれている。
要するに、この条約を締結した以上、A級戦犯は刑死者であって、戦死者では断じてない。これを勝手に戦死者と見なすというのなら、日本は堂々と条約違反をする国ということになる。
ソ連、そのほかの国が条約に違反したようなことをやっても、文句を言えない立場になるし、日米安保でアメリカが日本を守ってくれなくても「おたくは条約を守らない国だから」と言われかねない(実は、日米共通の危機に対応すると書いてあるだけで、もともと守る約束はしていないが)。
これがあるから、A級戦犯の合祀までは天皇陛下も頻繁に靖國を参拝していたし、首相の参拝もまったく珍しくなかったのに、天皇陛下も首相も参拝できなくなったのだ。
やっかいなのは、サンフランシスコ平和条約というのは、単独講和でなく、48か国と交わした条約で、キューバのような国も入っていること。
このうちのどこかの国が、首相が靖国参拝をした時点で条約違反だと騒ぐようなことが起こると、逆にわが国としても、他国の条約違反(たとえばソ連やその他の国が条約に違反する、日米安保でアメリカが日本を守ってくれない等)に対して文句を言うのは相当難しくなる。
だから安倍氏は分祀を考えたのだろう。